エントリーグレードに試乗 アルピーヌA110ピュア 幸福度はトップクラス

公開 : 2019.06.14 10:10  更新 : 2021.05.13 12:00

高速道路での長距離運転も安楽

素早く滑らかで、無理を感じさせない自然な振る舞いが、アルピーヌに最適な運転スタイルを自ずと引き出してくれる。そしてそのクルマとの対話すべてが、好ましい。

ふたり乗りのキャビンは、ヘッドルームやレッグルームの空間は充分に確保されている。ボディと同色に塗られたアクセントが効いたドアの内張りや、トグルスイッチ、部分的に用いられたアルカンターラやカーボンファイバーが、インテリアの雰囲気を高めている。しかし、ふと目をそらすと、安っぽいプラスティック製のパーツもそこかしこに使われている。シフトパドルの質感も、高級感には乏しい。上級グレードのA110と比較すると、スパルタンな雰囲気は穏やかになっている。

背もたれは固定式だが、長距離運転でも十分快適に過ごすことができるはず。少し特徴が欲しい場合は、ブラウンのレザーや、つや消しのかわりに艶のある黒いカーボン製の化粧パネルも選択は可能。とはいえ本質的にA110の静寂性は驚くほどで、高速道路での長距離走行も極めて安楽にこなせる。

生産台数の少なさや、構成する技術的な要素を考えると、A110のベースグレードが掲げる5万ポンド(725万円)という価格は充分にお値打ちだといえる。ただ確かに、A110ほどの説得力はないとはいえ、ポルシェ718ケイマンのエントリー・グレードが、A110ピュアよりも安いことも、忘れないでおきたい。

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