アルピーヌ次期型『A110』 画像初公開、六角形ライト採用へ ライバルより軽い電動スポーツカー

公開 : 2025.05.30 06:45

アルピーヌは『A110』の次世代モデルの予告画像を公開しました。「軽量」を最大の特徴とするバッテリーEVで、2026年に発表される見込み。全体的なシルエットは継承しつつ、空力重視のデザインとなるようです。

空力性能を強化? デビューは来年

アルピーヌは、スポーツカー『A110』の次世代モデルの予告画像を初めて公開した。来年に正式デビューする見込みだ。

現行のガソリンエンジンからバッテリーEVに切り替わるが、シルエットは継承しつつ、円形のデイタイムランニングライトが新しい六角形のモチーフに変更されているようだ。

アルピーヌが公開した次期型『A110』の予行画像
アルピーヌが公開した次期型『A110』の予行画像    アルピーヌ

画像ではカバーがかけられているため、それ以上の情報はほとんど得られないが、空力性能を高めるための小さなダックテール型リアスポイラーが採用されている可能性がある。実際、電動化に伴い、エネルギー消費効率(電費)は間違いなく重要な課題となるだろう。

次期型はEVであるにもかかわらず、内燃エンジン搭載のライバル車よりも軽量になるとされている。

ルノー・グループのCEOであるルカ・デ・メオ氏は以前、AUTOCARの取材に対して、次のA110およびその派生モデル向けに、「多額の投資」を行って電動スポーツカー用プラットフォームを開発するという「非合理的な」決定を下したが、スポーツブランドを成功させる方法については「ポルシェからインスピレーションを得た」と語っている。

「ポルシェは911(のプラットフォーム)を自社で開発し、タイカンやカイエンなどのモデルには他のもの(VWグループのプラットフォーム)を使用しています。そうすることで、ブランドの真髄を保つことができるのです」と同氏は述べた。

そのため、スポーツカー用プラットフォームは、たとえコスト負担が大きくてもアルピーヌに必要不可欠だという。最近発表された新型SUV『A390』など、実用性重視のモデルにも良いイメージを与えることになる。

「次期型A110は、同等の内燃エンジン搭載車よりも軽量になります。性能面で妥協することはありません」とデ・メオ氏は力を込める。

「軽さ」とA110らしい「デザイン」で勝負

専用プラットフォームの開発と生産は、純粋な利益率を考えると「完全に愚かな決断」だったという。ロータスとのプラットフォーム共同開発計画は頓挫したが、アルピーヌは独自に開発を続けている。

アルピーヌは、現行のA110を改造したEVコンセプトカー『A110 E-ternite』で1400kg以下の車重を実現しており、これはポルシェ718ボクスターをわずかに下回る。

アルピーヌA110 E-terniteコンセプト
アルピーヌA110 E-terniteコンセプト    アルピーヌ

デ・メオ氏は次期型A110のデザインに関して、現行モデルとの違いは少ないと示唆した。

「A110らしく見えなくてはなりません。ポルシェは角ばった911は作らないでしょう」

アルピーヌは今後数年以内に7車種のEVラインナップを構築するが、その中には「エモーショナルなピュアスポーツカー」も含まれるという。すでにハッチバックのA290と、SUVの新型A390が発表されており、その次に登場するのがA110の次世代モデルだ。

ラインナップの拡大に伴い、ディーラーネットワークも世界各地に展開している。昨年はスペインのバルセロナにおいて、eスポーツやレーシングシミュレーターのエリア、バー、レストランも備えた旗艦店を設置。ロンドンやパリにも同様の施設を導入する予定だ。

現行のA110は、2026年に生産終了となる。これは欧州のGSR2安全規制の少量生産車に対する免除が終了するためだ。110台の限定生産モデルである27万6000ポンド(約5380万円)のA110 R Ultimeは、パリ・モーターショーでの発表から2か月で95%が販売されたと言われている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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