フェラーリF8トリブート、日本導入 新型V8クーペのスペック/内装/エンジンを解説

公開 : 2019.06.25 07:40  更新 : 2019.06.27 12:25

フェラーリF8トリブートのエアロダイナミクス

F8トリブート開発に際してテーマの1つがエアロダイナミクスの追求だった。フロント部分で特徴的なのはSダクトで、フェラーリF1からフィードバックされた技術。既に488ピスタから採用されているソリューションである。

バンパーの中央部から気流を取り込み、ノーズ下を通りボンネット上方に排出するもので、ここで発生する気圧差がフロントにダウンフォースを発生させるもの。これにより488GTBに対し増大したダウンフォース全体のうち、15%をこの部分で獲得している。

488GTBで採用されたブロウン・リア・スポイラーは488ピスタでさらに磨き上げられ、F8トリブートではより高度に進化して受け継がれた。その構造はリア・ウインドウ後端からボディ内に流気を導き、リアエンドのスリットから後方に排出するもので、空気抵抗を増さずに気圧差を利用してリアのダウンフォースを発生。内部には3つの回転するベーンが組み込まれ、気流を再度効果的に圧縮することにより空気抵抗を2%低減、ダウンフォースの増大による影響を補正するという。

フロア部分の流気も完全にコントロールされ、フロント・ディフューザーにより前輪のブレーキに新規を導き、効果的にホイール外側に排出。また、フラットなフロアにはボルテックス・ジェネレーターが設けられた。

注目したいのはラジエターのレイアウトだ。それまでは前傾でマウントされていたものが、水平に近い後傾となり空気抵抗を増やさずに効率を高めたもの。排気はフロアに導かれるためホイールハウス内の熱相互作用が最小限に抑えられたという。

リアディフューザーはダブル・キンクラインを持ち、地面に近い位置に2つのピーク負圧を発生させ、先代モデル比で流気の吸い出しとダウンフォース発生が改善された。そのディフューザーには、高速走行時に空気抵抗を大幅に低減させて最高速度に導くために、14°回転させてディフューザーを無効にする2つのアクティブ・フラップが取り付けられた。

これらの改良により488GTBに較べて空気抵抗係数は、Sダクト(15%)、リアスポイラー(25%)、フロントアンダーボディ(15%)、ボルテックス・ジェネレーター(25%)、リアディフューザー(20%)の各部で向上したと発表された。

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