未塗装カーボンの凄み 1台限りのフェラーリ「SP-8」初公開 ツインターボV8を祝福

公開 : 2023.10.26 06:05

・フェラーリのワンオフシリーズ最新作「SP-8」が公開。
・世界的に高い評価を得ているツインターボV8を讃える特注モデル。
・フロント部分は未塗装のカーボンファイバー製、完全なルーフレス。

ワンオフ最新作 近未来的ロードスター

イタリアの自動車メーカーであるフェラーリは、1台限定のワンオフモデル「SP-8」を発表した。ルーフレスのロードスターで、台湾の顧客のオーダーを受けて製作された、スペシャル・プロジェクト(SP)の最新作である。

新型SP-8は、エンジン・オブ・ザ・イヤー(IEOTY)を4度受賞するなど世界的に高い評価を得ているフェラーリの3.9L V8ツインターボを讃えるモデルとされる。F8スパイダーをベースに、さまざまなプロセスを経て近未来的なスタイルに生まれ変わった。

フェラーリSP-8
フェラーリSP-8    フェラーリ

F8スパイダーとは異なり、SP-8にはルーフがない。ルーフの格納スペースが不要になったため、テールセクションを完全に作り直すことができたという。

その結果、カーボンファイバーで覆われたアッパーデッキと、エンジンルームカバーに流れ込むシルバー塗装のロアエリアとで、ショルダーラインがドラマチックに分割された。

フェラーリは、ルーフを完全に取り去ったことで、風切り音を低減するための大幅な空力調整が必要になったとしている。

カーボンファイバー製のフロントエンドは、ヘッドライトの薄型化とグリルのワイド化により、フロントラジエーターへのエアフローが改善され、よりアグレッシブな外観に作り変えられた。フロント部分は未塗装で、マットシルバーのリア部分との強いコントラストを生み出している。

SP-8には、過去と現在のさまざまなフェラーリからの引用も見られる。リアライトはローマに由来するもので、5本スポークのホイールはF40のものをイメージしているという。インテリアでは、センターコンソールにSF90や296 GTBのHパターンを模したギアセレクターが装備される。

SP-8は、SP38やSP275 RWといったワンオフシリーズ「スペシャル・プロジェクト」の最新作となる。フェラーリによれば、車名の「8」という数字は台湾において「縁起が良い」とされることから採用したという。

フェラーリは、10月24日にイタリア北部のムジェロ・サーキットで主催するイベント「フィナーリ・モンディアーリ」でSP-8を展示する予定だ。その後、マラネロにあるフェラーリ・ミュージアムで2024年3月まで展示する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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