【速度世界記録更新に向けて】ブラッドハウンドLSRの挑戦 目指すは4桁マイル? 後編

公開 : 2020.03.22 20:50

記録更新に期待

「ロケットエンジンをマシンに搭載すれば、重心位置が後退することで横風や突風の影響を受けにくくなります」

「われわれがスタティック・マージンと呼ぶ、重心とヨー運動における空力上の中心位置とのズレが小さくなるからです」

パラシュートは毎回無事に開いている。これまでのところは…。
パラシュートは毎回無事に開いている。これまでのところは…。

では、ブレーキはどうだろう?

ブラッドハウンドには、必ず毎回問題無く機能するという保証はないものの、「8回中8回」成功という見事な安定性を誇るパラシュートが備わっている。

さらに、フロントタイヤには470km/h以下で使用する通常のブレーキも備わっているがABSはない。

こうした十分なセーフティマージンを残しているからこそ、直近のテストでも「800km/hプラスの目標は余裕」などと言うことが出来るのだ。

グリーンは、「970km/hプラスの速度は少しハードルが上がります。1000km/hというのはキリの良い数字なので、世界にアピールすることができるでしょう」と話す。

「余裕をもって速度記録を達成するために、マシンを磨き上げてきました。ある時点で、テストで目標としていたすべての項目を達成することに成功しています」

「そして、ある時点でこれ以上マシンを痛めつけても、何ら得るものがないというところまで辿り着いたのです」と、グリーンは言う。「とても素晴らしい成果です」

今後18カ月のうちにさらなる高みを目指す彼らの挑戦に是非ご注目頂きたい。

番外編1:0-600mph(0-965.6km/h)加速40秒の秘密

■ブラッドハウンドLSRが直近のハイスピードテストで見せた速さであり、さらに速度を伸ばすことも可能だ。ロケットエンジンを積めば、40秒以下で同じ速度に到達することが出来、その最終到達速度ははるかに高いものとなる。

■ブラッドハウンドのエンジニアたちは、1回あたりの走行で消費するジェット燃料の量を300~350Lだとしている。それでも、走行時間が短くなることで、テストよりも使用量は少なくなるだろう。

ブラッドハウンドLSRの挑戦
ブラッドハウンドLSRの挑戦

■あくまで比較論だが、彼らの基準によれば、ジェットエンジンは「非常に効率性が高い」という。

■ブラッドハウンドのエンジニアたちは、1回あたりの走行でロケットエンジンが消費する高濃度過酸化水素の量を900L程度だとしており、往復での速度記録チャレンジではこの2倍の量が必要となる。

■アフターバーナー点火前でも、タイフーンEJ200ジェットエンジンは1838.8kg-mものトルクを発生しており、再燃焼を行うことで2798.1kg-m(メートル法がお好みなら、それぞれ6kNと9kNだ)を発揮する。ロケットエンジンを使えばさらに50%の上乗せが可能だ。

■アッパーシャシーは2mに達しており、テールフィンはさらに2mの高さを持つ。このマシンの総重量は約6tにも達する。

■ブラッドハウンドは巨大な車両だ。全長13.5m、リアは全幅2.2mだが、フロントはわずか0.9mしかない。ホイールベースは8.9mに達する。

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