目的地を快適に目指せる プジョー E-5008 GT(2) シングルモーターでも普段使いに不満なし 実用性だけじゃない魅力

公開 : 2026.04.21 18:10

7シーター電動SUVの新たな選択肢、E-5008。適度な大きさの大胆ボディで、使い勝手に長けたインテリアを内包。反応の良いステアリングや、快適な乗り心地も魅力です。UK編集部が評価しました。

普段使いに不満ない214psのシングルモーター

シングルモーターのプジョー E-5008は214psを発揮し、普段使いに目立った不満なし。0-100km/h加速9.7秒と俊足ではないが、35.0kg-mの最大トルクで充分な活発さを実現している。エンジン車から乗り換えても、パワーデリバリーに違和感はないはず。

ツインモーターで325psと45.6kg-mを叶えた、325デュアルモーター仕様も存在する。リア側に111psのモーターが追加され、0-100km/h加速は6.5秒。スポーツ・モードでアクセルペダルを踏み込めば、胸のすくような速度上昇を味わえる。

プジョー E-5008 GT 73kWh(英国仕様)
プジョー E-5008 GT 73kWh(英国仕様)

ただし、2基目のモーターが載ることで、車重は約150kg増し。航続距離が縮まることを踏まえると、シングルモーターの方が賢明かもしれない。流れに合わせて一般道を走らせている限り、明確なパワーの差も感じにくい。

キビキビと5008を導けるステアリング

回生ブレーキは、ステアリングホイール裏のパドルで3段階に調整可能。最強にすれば、完全には停止しないものの、ほぼワンペダルドライブ状態になる。高速道路では減速感が強すぎるかもしれないが、都市部では扱いやすく感じる人は多いだろう。

ブレーキペダルは、踏み始めの感触が少し曖昧で、反応も良くはない。それでも、回生ブレーキと摩擦ブレーキの協調性に優れ、滑らかに停止できる。

プジョー E-5008 GT 73kWh(英国仕様)
プジョー E-5008 GT 73kWh(英国仕様)

小径なステアリングホイールは重め。スポーツ・モードでは更に重くなるが、ダイレクト感は低くなく、市街地でキビキビと5008を導ける。路面からのフィードバックを増やし、高速域での直進性を磨けば、一層望ましい。

目的地を快適に目指せる乗り心地

乗り心地と操縦性のバランスは好印象。カーブへ飛び込めばボディロールを隠さず、英国の傷んだアスファルトでは落ち着きへ陰りは出るものの、安定性には優れる。速度抑止用のスピードバンプを乗り越えても、衝撃は丸められている。

快適性を重視するなら、アルミホイールは19インチを選びたい。20インチでは、路面の凹凸をより拾いがちだった。

プジョー E-5008 GT 73kWh(英国仕様)
プジョー E-5008 GT 73kWh(英国仕様)

ツインモーター版の場合、カーブでは増えた車重を実感しがち。走行時の揺れも若干大きく、乗り心地にも影響は見られる。多くのバッテリーEVにも通じることだが、シングルモーター版の方が全体的な訴求力は勝るといえる。

3列シートのSUVだから、5008は家族と穏やかに移動を楽しむクルマ。ステアリングは適度にクイックで、インテリアはスタイリッシュ。見晴らしが良く、ボディは実際より小さく感じられる。運転へ夢中になることはなくても、目的地を快適に目指せるはず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    2006年より自動車ジャーナリストとして活躍している。AUTOCARを含む複数の自動車専門誌で編集者を歴任した後、フリーランスとして活動を開始し、多くの媒体で執筆を続けている。得意分野はEV、ハイブリッド、お菓子。2020年からは欧州カー・オブ・ザ・イヤーの審査員も務める。1992年式のメルセデス・ベンツ300SL 24Vの誇り高きオーナーでもある。これまで運転した中で最高のクルマは、2008年のフォード・フィエスタSTとアルピーヌA110。どちらも別格だ。
  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

プジョー E-5008 GTの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事