【年に一度のサソリの祭典】アバルトデイズ2020 万全のコロナ対策のなか開催 595スコルピオーネオーロを日本初公開

公開 : 2020.11.20 11:20  更新 : 2021.10.11 09:37

アバルト・ミュージアムで歴史を体感

アバルトの華麗な歴史を実際に目にできるまたとない機会がアバルト・ミュージアムだ。アバルトデイズのかかせぬ存在として今年も盛大に開かれた。

今回のニュースはカルロ・アバルトがアバルト社設立前に関与したチシタリア202が姿を見せたことだ。

常に勝利を追い求めてきたアバルトの歴史を目にできる「アバルト・ミュージアム」を開催。時代を代表する名車が展示された。
常に勝利を追い求めてきたアバルトの歴史を目にできる「アバルト・ミュージアム」を開催。時代を代表する名車が展示された。    上野和秀

まさにアバルトの紀元前といえる1947年に誕生したモデルで、ピニンファリーナの手によるモダンで流麗なスタイルは、今も高い評価を得ている。

また1951年にニューヨーク近代美術館(MoMA)による、現代の造形を代表する優秀なデザイン8作品に選ばれ、「動く彫刻」として永久展示されていることも忘れられない

屋内の展示スペースには、1958年にデビューしたフィアット・アバルト850レコード・モンツァ・ザガートからフィアット・アバルト1000ビアルベーロはショートノーズとロングノーズの両タイプが揃い、レーシングスポーツのフィアット・アバルト1000SPというアバルト代表するレーシング・モデルが並べられた。

このほか屋外にはフィアット600をベースにするTC系は1963年のフィアット・アバルト850TCニュルブルクリンクと、究極のアバルトである1000TCラディアーレ・ベルリーナ・コルサが2台参加。

チンクエチェントをベースとするフィアット・アバルト595は前開きドアの初期型と、最強モデルのフィアット・アバルト696アセットコルサが仲良く並び、現行のアバルトに乗るオーナーたちの注目を集めていた。

近代のモデルではフィアット・アバルト124ラリーとフィアット131アバルト・ラリー、ランチア・ラリーと、アバルトが手掛けた最強のラリーカーが並んだ。

アバルトファンにとっては憧れのモデルだけに、終日人波が途切れることは無かった。

多彩なアトラクションを用意

ステージ上では参加者を楽しませる様々なアトラクションが用意された。

オープニング・セレモニーに続き、華麗な演出とともに姿を現したアバルト595スコルピオーネオーロの日本初公開で会場は大きく盛り上がった。

イリュージョニストのセロさんは、驚きのパフォーマンスを披露。参加者は拍手の代わりにヘッドランプをパッシングさせた。
イリュージョニストのセロさんは、驚きのパフォーマンスを披露。参加者は拍手の代わりにヘッドランプをパッシングさせた。    上野和秀

続いてプロ・ドリフトドライバーでアバルト・ドライビング・アカデミー(ADA)の講師を務める石川紗織さんと、プロ・レーシングドライバーでADA講師の蘇武喜和氏によるトークショーが行われた。進行はモータージャーナリストの嶋田智之氏が務め、アバルトの各モデルにまつわるドライビング特性の解説や乗り方は、オーナーの参考になったはずだ。

アバルト595スコルピオーネオーロの発表を盛り上げてくれたイリュージョニストのセロさんは、待望のパフォーマンスを披露。

アバルトのマーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセさんと共に、華麗なイリュージョンで会場を沸かせた。

いつもなら拍手で称えるのだが今回はインカーのため、ヘッドランプをパッシングさせて代用することに。それを象徴したのがエンディング・セレモニー。ティツィアナさんの合図にあわせてパッシングとホーン、最後は空吹かしでアバルト・サウンドの一本締めが行なわれて幕を閉じた。

また、アバルト124スパイダーが本年を持って販売が終了されることが発表され、その最後の1台がチャリティ・オークションに出品されることが告げられた。これはアバルトが長年サポートしている認定NPO法人シャイン・オン!キッズへの募金を目的としたものである。

用意されるアバルト124スパイダーには、イタリア本社のチェントロスティーレが製作したワンオフの専用バッジと、これまたワンオフで描かれたレンダリングが付属する。

オークションは11月29日(日)に締め切られる。詳細についてはアバルトHPを参照されたい。

感染防止の影響で制限はあったものの、オーナーたちは久しぶりにアバルトの世界を存分に楽しんで満足げな表情で帰途についていった。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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