【年に一度のサソリの祭典】アバルトデイズ2020 万全のコロナ対策のなか開催 595スコルピオーネオーロを日本初公開

公開 : 2020.11.20 11:20  更新 : 2021.10.11 09:37

コロナ禍でイベントが中止される中、アバルトはチャレンジ精神から、ウイズコロナ時代のアバルトデイズを開催。595限定車の披露やイリュージョン、トークショー、クラシックモデルの展示もあり、濃密な時間を満喫しました。

ウイズコロナ時代のアバルトデイズ

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

年に一度のサソリの祭典であるアバルトデイズは、オーナーにとって欠かせぬイベントとして親しまれてきた。

コロナ禍の影響で数多くのイベントが中止される中、常にチャレンジ精神を貫いてきたアバルトは粋な決断を下す。ウイズコロナ時代の新たな内容で、11月7日に大磯ロングビーチで開催することを決定したのである。

今年のコンセプトは「ソーシャルディスタンス・イン・ザ・カー」で、ドライブイン・シアター方式でアトラクションが行われた。
今年のコンセプトは「ソーシャルディスタンス・イン・ザ・カー」で、ドライブイン・シアター方式でアトラクションが行われた。    上野和秀

ウイズコロナ時代のお約束として密は避けたい。そこで今年のコンセプトとされたのが「ソーシャルディスタンス・イン・ザ・カー」。ひとつの場所に多くの人を集められないため、参加は250台限定(非オーナー含む)とされ、抽選で選ばれることになった。

そこで新たに採用されたのがドライブイン・シアター方式だった。これまではステージ前に参加者が集まってプログラムを楽しんだのだが、これでは密が発生してしまう。

そこで参加者はクルマの中からウインドウ越しにアトラクションを見て、音声はFM波で流され車内のオーディオで聞くという方式が採用された。

ここ大磯ロングビーチには、かつてドライブイン・シアターがあっただけに、時を経て復活したことになる。

ランチは受け付けの際にイタリアンのランチボックスが渡され雰囲気を盛り上げてくれる。他の人と接することなく車内や、相模湾を望む広大なパーキングでランチを愉しんだ。

またウイズコロナ時代の新たな試みとして「スタンプツーリング」が行われた。会場で密を作らないために、会場までの途中にある「道の駅」や「サービスエリア」のスタンプをひとつ押し、愛車と一緒に撮影した写真をSNSに投稿するもの。受付の際に確認できるとアバルトグッズがプレゼントされるという工夫がなされた。

クルマから降りて会場に並んだアバルト達を撮影することは、マスクを着けソーシャル・ディスタンスを保てばもちろん可能となっている。屋内のクラシック・アバルトを展示した「アバルト・ミュージアム」や、オフィシャルグッズを販売する「アバルト・コレクション・ショップ」は入場人数を制限して密を避けていた。

このようにすべての面で徹底的な感染予防策が施されて開催したのは、アバルトのオーナーに対するサポートを大事と考えの表れといえる。

アバルト595 スコルピオーネオーロ日本初公開

これまでのアバルトデイズでは注目の限定モデルが披露されてきたが、今年はデビュー間もない魅力的なアバルト595スコルピオーネオーロが姿を現した。

発表セレモニーは、イリュージョニストのセロさんの動画に始まる演出により、多数の風船と火炎が放たれるなかセロさんと共に登場した。

今年のアバルトデイズでは魅力的なアバルト595 スコルピオーネオーロが日本初披露された。
今年のアバルトデイズでは魅力的なアバルト595 スコルピオーネオーロが日本初披露された。    上野和秀

595スコルピオーネオーロは、595ツーリズモをベースにブラックのボディカラーにゴールドのアクセントが特徴だ。これまでのアバルトにない、ファッション感度の高い方に向けた限定車である。

このカラー・コンビネーションは1979年に登場した限定車の「アウトビアンキA112アバルト・タルガ・オーロ」から受け継いだもの。シックでありながら派手さを併せ持つイメージを、現代的に解釈してスコルピオーネオーロに再現された。

ゴールドのアクセントはウエストラインを一周するストライプ、ボンネット上のサソリ、ボディサイドのABARTHレタリング、リアのバッジ、17インチ14スポークの専用ホイールに施される。

注目したいのはルーフのチェッカー・マーキングだ。ブラックのボディにマットブラックのマーキングという、アバルトらしい粋なドレスアップである。

インテリアも特別装備で仕立て上げられている。スポーツシートのヘッドレスト部分には刺繍で「SCORPIONEORO」のロゴがゴールドの刺繍で入れられ、シートのセンター部分は、スコーピオンのロゴをモチーフにしたカモフラージュ柄とされた専用品。

限定車であることを示すプレートが、フロアコンソールに取り付けられプレミアム感を盛り上げている。

日本には5段マニュアル車の左と右ハンドルが各60台ずつ、2ペダルのMTAは左と右ハンドルそれぞれ40台の、合計200台が用意される。価格は5段マニュアルが368万円、MTAは379万円(いれも税込み)で、右ハンドルと左ハンドルで価格は変わらない。

初回分の50台はウェブ限定での販売となる。11月7日から21日まで先行予約受付が行われ、抽選で幸運な50名が選ばれるという。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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