【ベスト911を探せ】ど真ん中はドナタ グレードと装備を徹底比較 後編 

公開 : 2021.02.27 21:45

最低限のコストで最大の満足を得ようというわがままな比較試乗で、アナログなアイテムについては一応の決着をみました。しかし、メカニカルな取捨選択は、より複雑な話になりました。いよいよ理想の仕様を導き出します。

もくじ

4WDは諸刃の剣
不意の挙動を和らげるPASMスポーツ
ターボSで知るハイテクの功罪
やっぱりMTが好き

4WDは諸刃の剣

text:Richard Lane(リチャード・レーン)
photo:Luc Lacey(リュク・レーシー)

カレラ4Sは、今回の4台の中では運転しやすい部類のクルマで、ウェット路面ではまちがいなく効果的だ。トルクステアは発生せず、ニュートラル寄りで、走らせるとコンフィデンスが得られる。

とはいえ、後輪駆動のカレラと比べると、ステアリングフィールはやや重たげで、本質的に活気が削がれてしまう。そうなることに驚きはないのだが。

カレラSとカレラ4S、四輪駆動の有無による重量差は50kg。四輪操舵をオプション装備した四輪駆動モデルは、GTカーとしては秀逸だが、純粋にスポーツドライブを楽しむなら必要ない。
カレラSとカレラ4S、四輪駆動の有無による重量差は50kg。四輪操舵をオプション装備した四輪駆動モデルは、GTカーとしては秀逸だが、純粋にスポーツドライブを楽しむなら必要ない。    Luc Lacey

フロントのバネ下重量も増加してしまう。車両重量はカレラSを85kg上回る1565kgで、ここにはMTより35kg重いDCTのPDKが含まれる。対するカレラSはMT車で、今回の4台の中ではカレラを凌いで最軽量となっている。

そのため、フロントにドライブシャフトを持つモデルは、早々に選択肢から外れる。それでも4Sは、GTカーとしては並外れてよくできている。ピュアなハンドリングよりもスタビリティを重視するなら、さらに後輪操舵を追加するといいだろう。

ホイールベースの短縮に相当すると謳う効果は体感できるものだが、すぐに馴染む。ただし、われわれの思い描く理想のスペックには、4WDも4WSも無用だ。

不意の挙動を和らげるPASMスポーツ

PASMとスポーツクロノパッケージを同時に装着していたのは、4台中2台。対して、ローダウンスプリングを備えていなかったのはカレラのみだ。

たしかに、かなり劣悪な路面では、カレラのボディコントロールがルーズだとはっきりわかる。そして、ぬかるみでは、ナローなタイヤもあって、やや緩いサスペンションが、ハンドリングを911の基本的なレイアウトの恩恵をより強く感じるものとしている。

スポーツクロノはパッケージというだけあって、ただのストップウォッチではない。これを装着した場合のみ使用できる機能もある。MTは、これとのセットでのみ選択できる。
スポーツクロノはパッケージというだけあって、ただのストップウォッチではない。これを装着した場合のみ使用できる機能もある。MTは、これとのセットでのみ選択できる。    Luc Lacey

結果として、オールドスクールな911のスピリットがより色濃い、なめらかさと熱中度で勝るクルマだと思わされる機会がしばしばあった。また、速く走らせるには、思慮深さと敏感な手足が求められる。

予期せぬオーバーステアが突如として出たり、コーナリング中にスロットルを開けるのが早すぎるとアンダーステアに陥ったりするのは、必ずしも好みではないだろう。PASMスポーツサスペンションはそれらを和らげてくれる。

またPSMスタビリティコントロールの、寛大さは有効だがまったく干渉しないわけではないスポーツモードは、スポーツクロノパッケージを装備した場合のみ選択できる。PASMと相まって、911のファンなファクターをかなり高めてくれるアイテムだ。

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