【Sクラスに近い体験を】メルセデス・ベンツCクラス W206型 6気筒が落ちた理由

公開 : 2021.02.25 09:50

W206型へ進化したメルセデス・ベンツCクラスが発表されましたが、走りを引き立てていた6気筒ユニットは選択肢から消えています。その理由を英国編集部が考察します。

もくじ

Sクラスに通じるフレーバー
広い車内や上質な走り、先進的な技術を優先

Sクラスに通じるフレーバー

text:Richard Lane(リチャード・レーン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
W206型へと一新したメルセデス・ベンツCクラス。エンジンはすべて4気筒となり、6気筒エンジンが選べないことを残念がる人もいるだろう。

メルセデス・ベンツのベストセラー・モデルでもあるCクラス。2021年以降は、さらに重要な役割を果たすことになる。カリスマ性すら備えていた6気筒エンジンは、その目的には合致しない存在なのだ。

メルセデス・ベンツCクラス 最新W206型(欧州仕様)
メルセデス・ベンツCクラス 最新W206型(欧州仕様)

先日ご紹介した最新Cクラスのプロトタイプ試乗では、3.0Lの直列6気筒エンジンはエンジンルームに収まらないという担当者の説明に触れている。しかし、それは本当だろうか。

W206型のフロント・オーバーハングは先代より10mm伸ばされており、マイルド・ハイブリッド化させたとしても、4気筒より大きく高価なエンジンが収まった可能性はある。だが実際は行われなかった。経営的な判断によるところが大きいはずだ。

Cクラスは、最新のSクラスに通じるフレーバーを強めている。専属の運転手を必要としないユーザーへ、フラッグシップ・サルーンよりはるかに安価に、上級な味わいを提供するため。

6気筒でまかなっていたドライビングスリルは、BMW 3シリーズに任せたのだろう。メルセデスAMGは別として。

広い車内や上質な走り、先進的な技術を優先

最新のCクラスでは、クイックなステアリングラックと後輪操舵システムも搭載した。リアタイヤが向きを変えることで機敏性を高めつつ、ねじり剛性の向上にも結び付けられる。ドライバーの充足感としても望ましいが、Cクラスの場合は優先事項ではなかった。

メルセデス・ベンツは、Cクラスのユーザーが爽快な走りよりも広い車内や走行時の上質さ、先進的な技術を望んでいることを理解している。洗練されたボディデザインも。

メルセデス・ベンツCクラス 最新W206型(欧州仕様)
メルセデス・ベンツCクラス 最新W206型(欧州仕様)

新しいCクラスは、ユーザーが望む内容を優先して提供するために開発されている。W206型は、BMW 3シリーズやアウディA4よりホイールベースが長い。リアシート側の足元空間は35mmも広がっており、このクラスではかなりの変化といえる。

いわば、パワフルなメルセデスAMGが、さらに100ps獲得したようなもの。磨き込まれた動的性能や空力性能、上質なエア・サスペンションも、ロードマナー向上のために施されたと考えられる。

最新のMBUXインフォテインメント・システムの動作はまだ評価できないものの、巨大なモニターが鎮座するダッシュボードは、明らかにSクラスに触発されている。ミニマリズムで滑らかなデザインには、多くのユーザーが感心するだろう。

つまりドライビング体験という視点では、BMW 3シリーズはCクラスに怯える必要はないだろう。でも次期アウディA4は、どう動くのか待ってみるしかない。

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