たおやかな雰囲気へ合う「ディーゼル」 メルセデス・ベンツCLE 220D クーペへ試乗 筆者の好み

公開 : 2024.01.19 19:05

従来のCクラスとEクラスのクーペを置き換えるCLEクラス 優れたセンスで居心地がいいインテリア たおやかな雰囲気へ合う2.0Lディーゼル 英国編集部が評価

優れたセンスで居心地いいインテリア

新しいメルセデス・ベンツCLEクラスは、従来のCクラス・クーペとEクラス・クーペを置き換えるモデル。2ドアのクーペは、近年は数をさばけないカテゴリーで、合理化が図られたといえる。

今回試乗した英国仕様は、2.0Lディーゼル・ターボエンジンを搭載したCLE 220D。正直なところ、ディーゼルエンジンも最近は支持者が少ないため、20年ほど昔のパッケージングに思えてしまう。

メルセデス・ベンツCLE クーペ(英国仕様)
メルセデス・ベンツCLE クーペ(英国仕様)

トランスミッションは9速オートマティックで、後輪駆動。エンジンには、電圧48Vのマイルド・ハイブリッドが組まれている。

英国仕様の場合、ベースグレードがAMGラインで、価格は4万9060ポンド(約908万円)から。プレミアム・グレードではインテリアが高級になり、5万2810ポンド(約977万円)へ上昇する。

今回試乗したプレミアムプラス・グレードは、5万6810ポンド(約1051万円)。インテリアは、視覚的にも触覚的にもなかなか高級。とはいえ、Eクラスではなく、Cクラスから派生したモデルであることも感じ取れる。

駆動用モーターが載らないクルマを運転するのは久しぶりだったが、車内はとても居心地がいい。インテリアデザインのセンスと、華やかなカラーコーディネートで、アウディBMWには及ばない内装の質感を巧みに包み隠している。

とはいえ、組み立て品質自体は高い。フロントシートはサイズにゆとりがあり、しっかり体を支えてくれる。疲れにくそうだ。

たおやかな雰囲気へ合う2.0Lディーゼル

ダッシュボードの中央には、例によって巨大なタッチモニターが鎮座。多くの車載機能のインターフェイスとなるが、操作は難しくない。アイコンは大きく表示され、入力への反応は素早く、実際に押せる物理ボタンの減少を巧みに補っている。

制限速度の警告は、音声操作システムでオフにできる。反面、車線維持支援システムは、タッチモニターを介して切り替えることになる。

メルセデス・ベンツCLE クーペ(英国仕様)
メルセデス・ベンツCLE クーペ(英国仕様)

ステアリングホイールにはタッチセンサーが並ぶが、こちらの反応は今ひとつ。従来のデザインのアイテムが欲しくなるところだが、操作が煩雑ということはない。

ヘッドライトやフォグライトのスイッチは、従来どおり。これが正しい。

リアシート側は、上下方向に若干ゆとりがないものの、大人でも座れる。荷室容量は420L。従来のCクラス・クーペより60L拡大した。

英国では、ディーゼルターボ人気はすっかり冷めており、直近の新車販売の割合は僅か5%に過ぎなかった。それでも、マイルド・ハイブリッドの220Dは、たおやかなCLEの雰囲気へ合っているように感じた。

エンジンの最高出力は199psで、最大トルクは44.8kg-m。スターター・ジェネレーター(ISG)が、23psと20.8kg-mをアシストする。0-100km/h加速は7.5秒と悪くない。ブースト圧が高まるまでISGがトルクを追加し、瞬発力は数字以上に鋭い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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