【アウディな操舵感と車内】アウディ eトロンGTへ試乗 タイカン4Sと同じ馬力

公開 : 2021.03.21 08:25  更新 : 2021.11.11 13:20

ポルシェ・タイカンと多くを共有する、純EVのアウディ eトロンGT。英国編集部はインテリアやステアリングフィールなどに、アウディらしさを感じたようです。

ポルシェタイカンと主要部分を共有

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
AUTOCARの読者ならすでにご存知かと思うが、アウディ eトロンGTはポルシェ・タイカンと主要部分を共有している。タイカンは英国編集部でも評価が高い純EV。どれほどの違いを感じ取れるだろうか。

少なくとも、見た目はアウディらしい独自のものに仕上がっている。ハンサムな4ドアサルーンだと思う。

アウディ eトロンGT(欧州仕様)
アウディ eトロンGT(欧州仕様)

アウディの英国サイトにはコンフィギュレーターもあり、最高出力別に与えられる数字は60と表記される。だが、ボディなどにはその数字は見られない。60よりパワフルなRS eトロンGTには、先日試乗した。

ボディの全長は4989mmもあり、アウディA6より少し長い。5シーターで、幅はA6より広く高さは低い。ロー&ワイドなプロポーションは、かなり鮮烈な印象を与えてくれる。筆者の目には。

純EVとして重要な基礎をなすのは、フォルクスワーゲン・グループが有するJ1プラットフォーム。ポルシェ・タイカンと同じものだ。ホイールベースやバッテリーの容量、モーターの搭載位置やスペックの一部など、2台には同じ情報が並ぶ。

プラットフォームを共有するブランド違いのエンジンモデルより、共通点ははるかに多い。それだけに個性は与えにくいはず。

バッテリー容量はグロスで93.4kWh。実際に利用可能な容量は83.7kWhで、タイカンと同じ。一度の充電で走れる航続距離は479kmとされ、RS eトロンGTより少し長い。

DC急速充電器なら、最大で270kWの容量に対応。AC充電器なら標準で11kW、オプションで22kWまでの容量で充電をおこなえる。

アウディらしいインテリアの仕上がり

フロントとリアに電気モーターを1基づつ搭載する四輪駆動で、リアモーター側には2速のATが付いている。このATが機能する場面は、特に激しい走りを求めた時に限られるという。

フロントモーターの最高出力は238psで、リアモーターの最高出力は435psある。最高出力は通常475psに設定され、ローンチコントロールなどを用いたわずかな時間のみ、530psへ高められる。タイカン4Sと同じ馬力ということだ。

アウディ eトロンGT(欧州仕様)
アウディ eトロンGT(欧州仕様)

ドアはフレームレスで、中に乗り込むと上質な素材で仕立てられたインテリアがお迎えしてくれる。アウディ以外の車内には感じられないだろう。

デザインが良いだけでなく、車内は広々。前席にも後席にも、充分な頭上空間が用意されている。フロア一面にバッテリーが敷かれているが、従来のクルマではトランスミッションが収まっていた峰が車両中央に伸びる。

センターコンソールはその上に載り、ドライバーズカーらしいパーソナルな運転席の雰囲気を作っている。物理的なボタンもふんだんにある。今までのアウディのように、ロータリーダイヤルも残されていれば、さらに良かった。

ボタンの1つで、ドライブモードの切り替えもできる。モードによってサスペンションの快適性やステアリングホイールの重さなどは変化するが、eトロンGT全体の動的な性格付けには、違いは生まれないようだ。

その設定は、ポルシェと一線を画している。だが動的な体験に関しては、そこまでの大きな違いはない。

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