【Gクラスに折り畳みルーフ】ユーリエ・イントルーダー スポーツクーペxオフローダー 後編

公開 : 2021.06.06 17:45

イヴォーク・コンバーチブルの先駆者

雨の少ない南フランスで暮らしているのなら、フォールディング・ハードトップ丸ごとを取り外すことも可能。ルーフレスのコンバーチブルとして乗れ、大きな荷室も得られる。かなりスリムで小柄な体型の人なら、リアシートに2人が座れるかもしれない。

雨の多い英国でも、ルーフを開いて走る方がベスト。イントルーダーの性格も大きく変わる。ボディ剛性が明確に下がり、大きな車重を意識するが、一気に周囲の環境と車内とがつながる。

ユーリエ・イントルーダー・コンセプト(1996年)
ユーリエ・イントルーダー・コンセプト(1996年)

オープンにすれば、リラックスしたクルージングが一層魅力的になる。飛ばして走りたいと思う可能性は低いだろう。

ワンオフモデルとしてのクセは強い。でもイントルーダーは、現代のSUVブームに乗れている。クルマに詳しくない人へなら、最近のモデルだと話しても信じてくれそうな気がする。

ユーリエの技術者集団が、25年も前に考案していたことには、驚かされる。2021年へと時は流れ、古びないデザインは、現代的なニーズを予見した存在だったことを強く主張するようだ。

イントルーダーの登場で、フォールディング・ルーフはプジョーの感心を掴んだ。コンセプトカーを経て、2000年にプジョー206 CCが登場。述べ36万9000台の生産をユーリエ社は請け負った。

1996年当時、スポーツカーとオフローダーのミスマッチな融合として、冷笑されたイントルーダー。今では、レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブルやフォルクスワーゲンTロック・カブリオレなどの先駆者だったと、考えを改めさせる存在になった。

デザインの好みは、分かれる部分ではあるけれど。

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