【シャープな姿に快適な乗り心地】ヒュンダイ・アイオニック5 アルティメットへ試乗

公開 : 2021.07.31 08:25  更新 : 2022.02.07 12:19

広々とした居心地の良いインテリア

空間自体も広々としており、フロアはフラットで頭上空間にも余裕がある。リアシートは角度調整が可能で、リラックスして座れる。

バッテリーとモーターを低い位置に並べている影響で、荷室は高さ方向で低め。フロントにも荷室が用意されるが、充電ケーブルで一杯になってしまう。

ヒュンダイ・アイオニック5 アルティメット73kWh AWD(欧州仕様)
ヒュンダイ・アイオニック5 アルティメット73kWh AWD(欧州仕様)

インテリアのデザインは独自性が高く、ほとんどの素材は高品質。とても居心地が良い。オプションのプレミアムシートを装備すれば、レッグレストを持ち上げて、寝椅子のようにくつろげるラウンジモードが選べる。

アイオニック5の充電を待つなら、近所のマクドナルドより車内で過ごした方が良いかもしれない。

インフォテインメント用タッチモニターは反応が素早く、メニュー構造も論理的。便利なショートカットキーが付き、エアコンの操作系は別に並んでいて扱いやすい。

ホームボタンがない点はマイナス。シートとステアリングホイールのヒーターをオンにするには、タッチモニターを数回タップしなければならない。

アイオニック5を走らせてみると、ハッチバック的ではなく、上級サルーンのよう。数か月前にプロトタイプへ試乗しているが、体験は重なる部分が多かった。

乗り心地は全般的にソフトで快適。舗装の剥がれた穴などは、上手に処理してくれる。路面のうねりを越えると少しフワ付く印象があるから、姿勢制御はもう少し引き締めても良さそうだ。とはいえ、間違いなく心地いい。

リラックスしたドライビング体験

グリップ力は充分高く、ステアリングホイールの操舵感も安定感があり、重み付けも丁度いい。だが、コーナーではボディがロールし、起伏の大きい区間では船のように揺れてしまう。スポーティさは望まないでおこう。

アイオニック5は、リラックスしたドライビング体験を楽しむべき。高速道路でもマナーが良く、サスペンションからのノイズも小さい。知的なアダプティブ・クルーズコントロールが標準で付いてくる。

ヒュンダイ・アイオニック5 アルティメット73kWh AWD(欧州仕様)
ヒュンダイ・アイオニック5 アルティメット73kWh AWD(欧州仕様)

多くの純EVと同じく、アイオニック5はスタートダッシュが鋭い。ファミリーカーとしてデザインされているが、0-100km/h加速を5.2秒でこなせる。トラクションの制御も良好で、気付けば高速道路の速度域に届いている。

リアタイヤ主導のドライブトレインの特性も、感じられなくはない。しかし、あまり褒められないトルクステアも時々感取される。

積極的に駆動用モーターを動かし続けると、航続距離はどんどん短くなる。試乗で表示された距離を計算すると、341kmだった。電費は5.1km/kWhといったところだ。

シャープな見た目に、快適志向の動的特性という組み合わせで、特徴的な仕上がりを得たヒュンダイ・アイオニック5。拡大する純EVセグメントに荒波を立てるほどではないものの、一石は投じている。このカテゴリーの中で、魅力的な選択肢となるだろう。

加えてアイオニック5が意味することは、ヒュンダイだけでなくキアジェネシスからも、複数の優れた純EVが登場し得るということ。この事実の方が、影響は大きいかもしれない。

ヒュンダイ・アイオニック5 アルティメット73kWh AWD(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万8145ポンド(741万円)
全長:4635mm
全幅:1890mm
全高:1605mm
最高速度:185km/h
0-100km/h加速:5.2秒
航続距離:431km
電費:5.3km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2020-2100kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
バッテリー:72.6kWh
最高出力:304ps
最大トルク:61.5kg-m
ギアボックス:−

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