【詳細データテスト】日産キャシュカイ 力不足のエンジン 一貫性のないステアリング 実用性は高水準

公開 : 2021.08.07 20:25

欧州で売れに売れている日産のクロスオーバー、キャシュカイの新型は、歴代モデルの利点を伸ばしつつ、質感や快適性も引き上げられました。しかし、エンジンは力不足。ステアリングの可変アシストの制御にも不満が残ります。

はじめに

キャシュカイという奇妙な名前を、業界筋では稼ぎ頭や利益率の高い商品を意味する言葉になぞらえてキャッシュカウと呼ぶ者もいる。というのも、2006年に登場した初代は、欧州日産をほぼこの1車種だけで建て直した救世主となったからだ。

オフローダーのようなルックスでありながら、悪路を走破するための重く非効率的なハードウェアを持たないクルマ、というアイデアを一般に普及させたのは、まさにその初代キャシュカイだった。そして、それを多くのひとびとが歓迎した。

テスト車:日産キャシュカイ 1.3 DIG-T 158 テクナ
テスト車:日産キャシュカイ 1.3 DIG-T 158 テクナ    LUC LACEY

多くのメーカーがこれに続き、競合モデルを送り込んできた。それでも元祖である日産は、英国のクロスオーバー市場でトップに君臨し続けている。2019年の5万2532台という登録台数は、ライバルのフォード・クーガに1万台以上の差をつけ、英国の新車販売ランキングの5位に入った。しかも、通常とは異なる状況に陥った2020年にあってさえ、そのポジションを維持したのだ。

日産にとってのサクセスストーリーであるのと同時に、登場時からサンダーランド工場で生産されてきたキャシュカイは英国の自動車産業にとっても希望の光だ。ほんの数週間前にスウィンドン工場でシビックの生産を終えたホンダをはじめ、多くのメーカーが英国内の工場を閉鎖する中で、この3代目キャシュカイは先代までと同じ施設で製造されるのだから。

2013年発表の2代目は、競合モデルの中でもベストなものに比べればやや遅かったにもかかわらず、販売のペースは保たれたのだからたいしたものだ。だからこそ、日産がこの新型の開発に慎重を期したのは当然の成り行きだ。

実際、電動SUVのアリアを用意したものの、既存車種からは完全に独立させて、このEVをやや特殊なものとして扱うための余地を設けた。結局のところ、万人受けして利益を稼ぐ役割が期待されるのは、これまでどおりキャシュカイなのだ。

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