【ワンオフも制作可能】アストン マーティンの「Q」 コンコルド・エディション ゴールドフィンガー ほか 後編

公開 : 2021.10.03 13:45

V8 シグネット

トヨタが以前製造していた、iQというコンパクトカーをご記憶の方も多いだろう。そのiQをベースにアストン マーティンはシグネットを生み出したが、V8 シグネットは、Q部門が制作した特別な1台だ。

小さなボディに、Q部門が4.7LのV8エンジンを押し込んでいる。ヴァンテージSにも搭載されるユニットで、436psを発揮する。「Q部門で思い浮かんだアイデアです。シグネットに、V8エンジンを搭載したら面白いだろうと」。サイモン氏が振り返る。

アストン マーティン V8 シグネット
アストン マーティン V8 シグネット

「バルカンとワン-77を所有するロイヤルカスタマーの一人が、実現して欲しいと話したんです。彼はサーキット走行会などを通じて、われわれの技術者と交流がありました。技術者が実現したいと考えていると、わかっていたんです」

「このクルマは、本当にワンオフ・モデルとして作りました。一種の娯楽として。ですが、驚くほど運転して楽しいシグネットになりました。ホイールベースが短いクルマに、V8エンジンを載せたのですから、想像したとおりです」

可能だと考えるのなら実現へ挑戦する

サイモン氏は、小さなボディにV8エンジンを搭載することは簡単ではないと認める。シャシーと統合したロールケージやフロント・バルクヘッド、トランスミッション・トンネルなどを新たに設計している。

「V8 シグネットには、多くのV8ヴァンテージの要素が盛り込まれています。ボディシェルはシグネットですが、プロペラシャフトはアストン マーティン製の短い特注。トランスミッションも、ヴァンテージSのものです」

アストン マーティンのQ部門が手掛けたモデル群と、部門を率いるサイモン・レーン氏
アストン マーティンのQ部門が手掛けたモデル群と、部門を率いるサイモン・レーン氏

「専用部品も多く、インテリアも大幅に手が加えられています。量産予定はありませんでしたが、Q部門ができることを表現する素晴らしいデモカーにはなりました」

「お客様が何かを想像し、われわれが可能だと考えるのなら、われわれQ部門は実現へ挑戦するのです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 撮影

    オルガン・コーダル

    Olgun Kordal

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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