【手頃なEVを4年後に】フォルクスワーゲンID.ライフ・コンセプトへ試乗 ID.2の前触れ 前編

公開 : 2021.10.11 08:25  更新 : 2021.10.12 15:58

バッテリーはリン酸鉄リチウムを想定

ベースとするプラットフォームは、フォルクスワーゲン・グループのMEB。ホイールベースは2550mmに短縮され、プラットフォームを同じとするID.3より100mm短い。

駆動用バッテリーの容量は57kWh。フロアパンに敷き詰められ、車内の床面もフラットだ。量産版では、他にも異なる容量のバッテリーが搭載されるとしている。

フォルクスワーゲンID.ライフ・コンセプト
フォルクスワーゲンID.ライフ・コンセプト

このバッテリーは、ID.3のものとは素材も異なる。現在のフォルクスワーゲンは、コストの高いリチウムイオン・ニッケル・マンガン・コバルト(NCM)セルを用いているが、ID.2ではリン酸鉄リチウム(LFP)セルが想定されている。

高価な金属を使用する必要がないため、バッテリーの製造コストを抑えられるとのこと。だが、リン酸鉄リチウム・バッテリーはまだエネルギー密度が低く、使用温度が低いとパフォーマンスが低下しやすいという特性がある。4年後に、どう進化するだろう。

ID.ライフの駆動用モーターは、フロントアクスル側の低い位置に1基搭載される。固定比のシングルスピード・リダクションギアを介して、フロントタイヤを駆動するFFだ。ID.3とはここでも異なる。

最高出力は234ps、最大トルクは29.5kg-mがうたわれる。0-100km/h加速は6.9秒、航続距離は402km以上になるという。だが通常の量産仕様では、ここまでのパワーは与えられないだろう。高性能なGTXが加わる可能性は高いようだが。

フロントアクスル内に駆動用モーターを搭載するという決定は、コスト面での理由が大きかったという。車両後部に広い荷室空間が得られ、パッケージング上でのメリットもある。四輪駆動は想定されていない。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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