新型トヨタGR86 欧州仕様プロトタイプへ初試乗 称賛の予兆 前編 

公開 : 2021.11.21 08:25

素晴らしい音響と6速MTの感触

純粋で手頃なスポーツクーペだから、インテリア装材などへ強くこだわるドライバーは少ないだろう。今回試乗した欧州仕様のGR86は開発末期のプロトタイプで、ダッシュボードやドアパネルは完成状態ではなかった。それでも、特に不満を感じなかった。

フロントシート側には、高身長のドライバーでも快適に座れる空間がある。リアシート側には、子供か荷物を乗せられる。リア側は背もたれが折り畳め、スポーツカー基準では大きいといえる荷室を更に広げることができる。

トヨタGR86 欧州仕様プロトタイプ
トヨタGR86 欧州仕様プロトタイプ

ボンネットのラインが低く、ダッシュボードの上面ラインも低いから、運転席からの前方視界は極めて良好。後方視界は、流麗なルーフラインのクーペとしては平均水準。ミドシップのモデルよりは、もちろん良い。

新しい2.4Lエンジンを始動させる。GT86の2.0Lエンジンと同じように、静かにアイドリングを始める。中回転域まで回すと、印象がまったく異なることが見えてくる。

GR86の技術開発をリードしたハーウィグ・ディーネンス氏によれば、エンジン音のチューニングに加えて共鳴効果を利用し、より刺激的なボクサーエンジン・サウンドを生み出したという。スピーカーから聞こえる人工音ではない。

従来の2.0Lユニットよりメカニカルで、聴き応えのある音響を獲得している。ボリュームも大きく、生々しく、心に強く響いてくる。5000rpmから先では、何度も聞きたくなるような興奮も誘う。

6速MTのフィーリングも素晴らしい。手応えが丁度良く、しっかり決まった感触が手のひらに伝わってくる。駆動系がしっかり結びついているという、ポジティブな感覚すら得られる。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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