ジェネシスG70 シューティングブレークへ試乗 欧州専用シャシーの強み 後編

公開 : 2021.12.29 19:05

○:優れたシャシーとスタイリング、インテリア △:物足りないパワーユニット 英国編集部が一般道で評価しました。

ドライバーを鼓舞してくれるシャシー

ジェネシスG70 シューティングブレークは、BMW Mスポーツに迫るような接地感を得ている。姿勢制御は引き締まっており、グリップ力のバランスも良好なようだ。

隆起部分や舗装が剥がれた穴を通過しても、強い振動が伝わってくることはない。それでいて、無駄にボディを揺らすこともない。

ジェネシスG70 シューティングブレーク 2.2d スポーツライン(欧州仕様)
ジェネシスG70 シューティングブレーク 2.2d スポーツライン(欧州仕様)

試乗車したスポーツラインのG70 シューティングブレークが履いていたのは、19インチのホイールとミシュラン・パイロットスポーツ4Sのタイヤ。ドライブモードをスポーツ寄りな方へ切り替えると、舗装によってはロードノイズが大きく車内へ届いていた。

そんな時は、センターコンソールのノブで一発解決。コンフォート寄りのドライブモードを、すぐに選べる。ステアリングホイールの操舵感も、丁度良い手応えから重めで無感触なものまで変化する。

コーナリングマナーは良好で、スタビリティ・コントロールの効きを弱めて、ワインディングを攻め込もうという気にさせるのにも充分。リミテッドスリップ・デフが、効果的にパワーオン時でもラインを内側に絞るのを助けてくれる。

全体として、ドライバーを鼓舞してくれるシャシーだといえる。むしろ、もっと魅力的なパワートレインが欲しいと思わせるほど。

G70 シューティングブレークでは、4気筒のガソリンターボとディーゼルターボが選択できるが、同じグループ内のキア・スティンガー GTSが積むV型6気筒ガソリンターボは選べない。そのジェネシスの判断が、残念でならない。

エンジンに欲しいキラリと光る特別な味わい

2.2Lのディーゼルターボは低回転域からトルクが太く、静かにリラックスした高速クルージングへ浸っていられる。燃費も14.5km/L近くは現実的に得られるようだ。

しかし3500rpmを越えるとノイズが明確に高まり、質感に粗さが出てくる。4000rpm以上まで回ろうという意欲も感じられない。

ジェネシスG70 シューティングブレーク 2.2d スポーツライン(欧州仕様)
ジェネシスG70 シューティングブレーク 2.2d スポーツライン(欧州仕様)

確かに洗練されているし、不足ない動力性能と操縦性を与えてくれている。上級クラスらしく、静かでたくましい。だが個性は薄く、積極的に回ろうという感じはない。

G70 シューティングブレークの動力性能として、一応の水準は得られているものの、エネルギッシュな個性までは獲得できていない。一般的なユニットという感じが否めない。

BMWやアルファ・ロメオのエンジンは、たとえ4気筒でも、キラリと光る特別な味わいがある。ボンネットの内側にしっかり隔離されているが、退屈なユニットではない。

ヒュンダイ・グループがさらに追求するべき、プレミアム・モデルに必要な技術的側面なのだと思う。伸びしろはあるはずだ。

8速ATはダイレクト感が今ひとつ。4気筒エンジンとの相性もあるだろう。普通に流している限りでは滑らかに、テンポよく変速をこなす。一方で速いペースで走らせたい場面でも、積極的にシフトアップする。

少し反応が過剰でもある。右足の力加減で、ギアが次々変わるように感じられた。シフトパドルをドライバーが弾けばその癖は緩和できるが、変速はクイックとはいえず、明確に好転するほどではない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ジェネシスG70 シューティングブレークへ試乗 欧州専用シャシーの強みの前後関係

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