アウディA3 次世代モデルはフルEVに 航続距離640km以上 2027年発売見込み

公開 : 2022.07.27 06:05

コンパクトモデルは縮小?

次世代A3がアウディのEVラインアップのエントリーモデルとなる一方で、現行のA1やQ2は現行モデルの生産終了とともに廃止となることが確定しているようだ。これは、利益性の高い大型モデルを優先して、利益率の低いエントリーモデルを縮小するメルセデスと同様の道を歩んでいるように見える。

実際、兄弟ブランドのフォルクスワーゲンスコダセアトは2025年にMEBベースのコンパクトな都市型EVを発売予定だが、アウディはこのような計画を示していない。2019年に公開された「AI:ME」コンセプトは、都市向けの自動運転EVだったが、実現の可能性に疑問を抱かせている。

2019年に公開されたアウディ「AI:ME」コンセプト
2019年に公開されたアウディ「AI:ME」コンセプト    アウディ

AI:MEコンセプトで示されたスタイリングや自動運転機能は、その後の研究にも受け継がれている。しかし、フォルクスワーゲン・グループの各ブランドが独自のアイデンティティを切り開こうと努力している中で、アウディもエントリーモデルから離れることでプレミアムなイメージを強化しようとするだろう。

アウディのEV攻勢 いつ、何が出る?

2023年:アウディeトロン

アウディ初の量産EVであるeトロンは、BMW iXメルセデス・ベンツEQE SUVといった新たなライバルに対して競争力を保つために、一連の大型アップデートが行われる予定だ。2023年に実施予定のフェイスリフトでは、エレクトロニクスの改良、より効率的なモーター、新世代のバッテリーにより、航続距離が大幅に伸び、1回の充電で600km以上を走行可能と言われている。

2024年:アウディQ6 eトロン

ベストセラーSUVのQ5のEV版に相当するQ6 eトロン。アウディとポルシェが共同開発している新しいPPEプラットフォームをベースにしており、次期ポルシェ・マカンEVと密接な関係を持つことになる。

新型Q6 eトロンは、主力の電動SUVとなるだろう。(画像は予想レンダリング)
新型Q6 eトロンは、主力の電動SUVとなるだろう。(画像は予想レンダリング)    AUTOCAR

フラットフロアとエンジンレスにより、Q5よりもはるかに広いキャビンを実現し、新世代プラットフォームにより航続距離、充電時間、性能の面で競争力を発揮するだろう。

2024年アウディA4 eトロン

アウディは、次世代A4のEVモデルとなるA4 eトロンにより、テスラモデル3ポールスター2、BMW i4を追撃することになる。Q6とPPEプラットフォームを共有するが、おなじみのICE車やハイブリッド車と一緒に販売される予定だ。四輪駆動のRSモデルの登場も期待される。

2024年:アウディA6 eトロン

A6 eトロンは、セダンおよびアバントのコンセプトモデルでドラマチックなスタイルを見せている。すぐに現行A6の後継となるものではないが、長い航続距離を持つゼロ・エミッションの上級モデルを務めることになるだろう。

ライバルであるメルセデスがステーションワゴンから身を引きつつあるのに対し、アウディは特定の市場で人気を維持できると大きな期待を寄せている。

2024年:アウディA8 eトロン

A8に相当する最上級EVは、2021年に「グランドスフィア」コンセプトで予告されたように、高度な自動運転機能とコネクティビティに主眼を置くことになる。そのため、キャビンはボタンやスクリーンの数を大幅に減らし、ミニマルで風通しの良い「ラウンジ・スタイル」の環境を目指している。また、現行A8よりもGT色が強く、直線スピードとコーナリング・ダイナミクスが重視されるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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