お値段は同年代のゴルフ並み アウディA3 スポーツバック(3代目) 今でも輝かしい傑作 UK中古車ガイド

公開 : 2024.02.07 19:05

傑作といえる完成度にあった、3代目A3 リアドアと広い荷室を得たスポーツバック 同年代のゴルフと同等のお値段で狙える 英国編集部が魅力を再確認

リアドアと広い荷室を得たスポーツバック

アウディの小さなハッチバック、A3。2代目へ、5ドアのスポーツバックが追加されてから、20年が過ぎた。リアドアと僅かに広い荷室が与えられ、一躍人気者となり、現行の4代目では通常の3ドアモデルがラインナップから削られるほど。

今回振り返るのは、2012年に登場した3代目A3のスポーツバック。英国の中古車市場を観察すると、この世代でも3ドアと5ドアの比率は1:7で、支持率に圧倒的な開きがあったことがわかる。

アウディA3 スポーツバック(3代目/2013〜2020年/英国仕様)
アウディA3 スポーツバック(3代目/2013〜2020年/英国仕様)

3代目A3のプラットフォームは、フォルクスワーゲン・グループのMQB。スポーツバックでは、ホイールベースが3ドアより35mm伸ばされている。だが、リアシートの空間は、背の高い大人には少々不足気味ではあった。特に高さ方向で。

荷室容量は、3ドアより15L大きい380L。リアシートを倒せば、1220Lへ拡大できる。幅広いユーザーへ対応するとはいえないまでも、充分実用的なハッチバックだといえる。

エンジンの主力は、優れた4気筒ガソリン。英国仕様で馬力と燃費を両立させていたのが、150psの1.4TFSI。2016年のフェイスリフト以降は、1.5TFSIへバトンタッチした。他に前期で1.8L、後期で2.0Lの、ひと回り大きいユニットも選択できた。

高性能なS4には、300psを発揮する2.0L 4気筒ターボを搭載。頂点のRS3には、367psを繰り出す2.5L 5気筒ターボが載っていた。こちらは、また別の機会に取り上げることにしよう。

欧州仕様には、ディーゼルターボも存在。109psの1.6TDIと、150psか183psの2.0TDIから選ぶことができた。

同年代のゴルフと同等のお値段

トランスミッションは、Sトロニックと呼ばれる7速オートマティックが選ばれることが多かったが、英国仕様の標準はマニュアル。前輪駆動に加えて、四輪駆動のクワトロも指定可能だった。

サスペンションは、リア側にマルチリンク式を採用。ドライバーの狙い通り、正確で不安感のない操縦性を獲得している。

アウディA3 スポーツバック(3代目/2013〜2020年/英国仕様)
アウディA3 スポーツバック(3代目/2013〜2020年/英国仕様)

インテリアは、2013年当時のほぼ完璧。ダッシュボード中央へ、上下に動くモニターを内蔵する。ただし、驚きや喜びを与えるようなデザイン上の処理はない。

英国仕様の場合、トリムグレードはSEがベース。16インチのアルミホイールに、キセノン・ヘッドライト、MMIインフォテインメント・システムなどを装備する。その上に、SEテクニックが存在した。

スポーツ・グレードでは、17インチ・ホイールとデュアルゾーン・エアコンを獲得。
Sラインには、スポーツシートとスポーツサスペンション、18インチ・ホイールが装備される。乗り心地は犠牲になるが。

フェイスリフトは2016年。ヘッドライトとシングルフレーム・フロントグリルのデザインが新しくなり、先述の通りエンジンのラインナップが更新された。

コンパクトな高級車という位置づけにあったA3 スポーツバックだが、中古車は比較的お手頃。2019年式の1.5TFSIが、同時期のフォルクスワーゲン・ゴルフ1.5TSIと同等のお値段で売られている。

もちろん、ゴルフは素晴らしいハッチバックだ。しかし、ブランドイメージや上質な作りを考えると、A3 スポーツバックへ気持ちが流れても不思議ではない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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