乗り手の気持ちを鷲掴み トヨタGR86へ英国試乗 完璧なエンジン 変化した方向性 前編

公開 : 2022.10.30 08:25

インテリアには安っぽい樹脂部品も

そもそも、メーカーのイメージを左右するような象徴的なスポーツカーに、落胆させられるケースは基本的に少ない。トヨタのように、力強く魅力的にプロダクト展開を進めているメーカーの場合は特に。

ただし乗り心地と操縦性には、あえて触れておきたい変化も見られた。先代の86と比べても、筆者の予想と比べても、少し異なる方向性を感じたことは事実だ。

トヨタGR86(英国仕様)
トヨタGR86(英国仕様)

もう1つ、その前にインテリアでも気になる部分があった。2021年末に筆者が試乗したGR86はプロトタイプで、内装の仕上げや素材は最終的なものではないという説明を受けていた。

その後、AUTOCARの別の編集部員が量産仕様へ乗っているが、その時もインテリアを褒めてはいない。そして今回、改めて確認できた。先代と同様に、GR86のインテリアにも驚くほど安っぽく感じられる部品が混ざっている。

座面が低く、足を伸ばすスタイルのドライビングポジションは良好。シートはサイドサポートがしっかりしていて、メーターパネルも見やすい。人間工学的には目立った不満はない。スポーツカーとして考えれば、荷室も実用的な大きさがある。

だが、プラスティックが目立つダッシュボードや、ドアハンドルの質感は・・。少なくとも、軽量に仕上がっていることは間違いないだろう。

クラッチペダルは重めで、6速MTのシフトレバーはスプリングで戻される感覚が強い。2000年代初頭の、マニュアルのスバル車を思い出させてくれる。久しぶりに懐かしい友人に再会したような、そんな気分になった。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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