趣味性と実用性が融合 ポルシェ・パナメーラ(971型) 英国版中古車ガイド 走りは期待通り

公開 : 2023.01.05 08:25

グレードによって価格には2倍ほどの開き

現在の英国市場を確認してみると、中古車で971型パナメーラのオーナーになるには5万ポンド(約830万円)以上の予算が必要といえる。走行距離8万km以上の、4か4Sが選択できる。

4 Eハイブリッドでは5万5000ポンド(約913万円)から。ハイブリッドではない通常のターボなら、6万5000ポンド(約1079万円)程度に上昇する。

ポルシェ・パナメーラ 4 Eハイブリッド(英国仕様)
ポルシェ・パナメーラ 4 Eハイブリッド(英国仕様)

2020年に導入された4S Eハイブリッドや、ターボS Eハイブリッドとなると、現行型ということもあって10万ポンド(約1660万円)前後を用意しなければ難しい。流通量も限られている。

知っておくべきこと

パナメーラの燃費は、ハイブリッド以外ではあまり良くない。2.9L V6ツインターボのベースモデルで9.8km/L、ターボSでは7.8km/Lがうたわれている。一方、カタログ値の限りでは4 Eハイブリッドは50.0km/L、ターボS Eハイブリッドは37.0km/Lへ伸びる。

荷室容量は、リアハッチの付く5ドアクーペのパナメーラでトノカバー下が495L。シューティングブレークのスポーツツーリスモでは、520Lへ大きくなる。

ポルシェ・パナメーラ 4 Eハイブリッド(英国仕様)
ポルシェ・パナメーラ 4 Eハイブリッド(英国仕様)

購入時に気をつけたいポイント

整備履歴

ポルシェのディーラーで点検整備を受けるには、それなりの費用が求められる。英国でポルシェの認定保証を付けるには、111か所の点検をパスする必要がある。それでも、1年間の保証金額は770ポンド(約13万円)する。

予め、過去の整備履歴の確認はお忘れなく。英国の場合、指定されている点検整備の間隔は3万2000km毎か2年毎となっている。

リコール

ポルシェ・パナメーラ 4 Eハイブリッド(英国仕様)
ポルシェ・パナメーラ 4 Eハイブリッド(英国仕様)

報告されている不具合は少ないものの、英国ではリコールが出ている。リアアクスル側のアンチロールバー・コネクティングロッドに関する内容で、過度のノイズが発生するのと同時に、警告灯が灯る可能性があるという。

トリムグレードとスペック

パナメーラ 4 Eハイブリッドには、10イヤーズ・エディションという限定仕様が存在した。パノラミック・ガラスルーフにヒーター付きのシート、ドアのソフトクロージャー、ボーズ社製のハイファイ・オーディオなどが装備された特別なパナメーラだ。

ポルシェ・パナメーラ 4 Eハイブリッド(英国仕様)
ポルシェ・パナメーラ 4 Eハイブリッド(英国仕様)

英国編集部の推しチョイス

ベスト:2.9 V6 4 Eハイブリッド

4 Eハイブリッドは、最もお手頃価格な価格帯の2代目パナメーラ。燃費に優れ経済的で、動力性能に不足はない。冬場に心強い四輪駆動でもある。季節や場面を問わない、有能なポルシェといえる。

ワイルドカード:ターボS Eハイブリッド・スポーツツーリスモ

万能選手ぶりでは、恐らくパナメーラ最強だろう。スーパーカーに迫る走りを備えつつ、ガソリン代も節約できる。学校の送迎だけでなく、引っ越しにも活躍できる。1人のドライブなら興奮も味わえる。

ポルシェ・パナメーラ 4 Eハイブリッド(英国仕様)
ポルシェ・パナメーラ 4 Eハイブリッド(英国仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    オリバー・ヤング

    Oliver Young 

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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