ポルシェ・カイエン・ターボ

公開 : 2014.09.15 23:30  更新 : 2017.05.29 19:04

カイエン・ターボの場合エアサスペンションが標準。車高を上下できることによって、オフロードをフレキシブルに走破することが可能となる。またカイエン・ターボのカスタマーは車高を最も下げた状態で乗る傾向にあるし、また女性が運転する場合も買い物などの乗り降りにも便利であることを考えれば、現実的にも有用性が高いと言える。

インテリアはモダンで使い勝手はよく、アーキテクチャに難癖をつけることは不可。技術的にもデザインの観点から見ても非常にレベルの高い仕立てとなっている。リアシートは更なる快適性と前部視認性のために改良が施され、トランク・スペースは引き続きクラス・トップの使い勝手を形、容量ともに実現している。

■どんな感じ?

何をさせても底抜けに、そして惚れ惚れするほど素晴らしいと言うのが正直な感想である。カイエン・ターボだけに、必然的に数字の話になるわけだが、やはり520psという強大な出力と76.5kg-mの強靭なトルクは、実際に味わってみると痛快の一言。これこそターボの魅力だ。フルスロットルによる加速はまさに非現実の世界。2000rpm以上ではターボ・ラグと呼べるものも存在しない。

シャシーの成熟度合いは先代より確実にレベルアップしている点のひとつ。ツインターボ・エンジンや8速ATのマナーもよりなめらかになっており、V8のキャラクターを巧みに引き出している。

興味深いのはマカン・ターボと異なり、どのグレードのカイエンにもPDKが設定されていない点。PDKは牽引力に劣るというのがポルシェのエンジニアの答えだ。マカンのドライバーに比べて、カイエンのオーナーは、後ろに小型ボートなどを牽引する確率が高いというのも影響しているのだろう。

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