ライバルは同期のCLA アウディA3 サルーン(3代目) 英国版中古車ガイド DCTの調子にご注意

公開 : 2023.02.23 08:25

装備は充実 乗り心地が固くなるSライン

英国で展開されたトリムグレードは2種類。「スポーツ」には、17インチのアルミホイールにカーナビ、エアコン、クルーズコントロール、リアのパーキングセンサーなどが装備されていた。

上級の「Sライン」では、レザーシートにLEDデイライト、キセノン・ヘッドライトなどを獲得。専用のボディキットと18インチ・ホイールで、見た目も差別化されている。スポーツ・サスペンションも装備されるが、乗り心地は若干悪くなる。

アウディA3 サルーン(3代目/2013〜2020年/英国仕様)
アウディA3 サルーン(3代目/2013〜2020年/英国仕様)

シートヒーターとアダプティブ・クルーズコントロールは、付いているとうれしいオプションだ。中古車選びでは、装備内容も確認したいところ。

4ドアサルーンとして荷室は独立しているが、トランクの開口面積が小さく、ハッチバックのA3より使い勝手は多少劣る。荷室容量自体は45L大きく、リアシートは40:20:40に分割して倒れるため、実用性が低いわけではない。

リアシートの広さは、ハッチバックと同等。足もとの空間は妥当と呼べるもので、頭上空間には充分なゆとりがある。

スタイリッシュで走りも良い、アウディA3のサルーン。英国の中古車市場を俯瞰すると、新世代が登場したことで、お値打ち価格で売りに出されているようだ。

知っておくべきこと

理解の難しい、アウディの数字によるグレード表記は2018年から採用されている。例えばA3の30には、1.0Lエンジンが搭載されている。

英国の中古車市場では、2013年式で6000ポンド(約96万円)付近が底値。状態の良い2015年式では1万ポンド(約160万円)、2018年式では1万7000ポンド(約272万円)程へ上昇する。

アウディA3 サルーン(3代目/2013〜2020年/英国仕様)
アウディA3 サルーン(3代目/2013〜2020年/英国仕様)

信頼性は高いといえ、AUTOCARの姉妹メディアの調査では、同クラスのモデル26台中、A3は2位にランクインしている。アウディ全体での信頼性は、自動車メーカー32社中21位だ。

トリムグレードとスペック

スポーツ:専用のボディキットがカッコイイ、Sラインも魅力的だが、乗り心地は明確に硬くなる。エントリーグレードのスポーツでも装備は充実していて、長距離を快適に移動できるだろう。

アウディA3 サルーン(3代目/2013〜2020年/英国仕様)
アウディA3 サルーン(3代目/2013〜2020年/英国仕様)

購入時に気をつけたいポイント

トランスミッション

A3にはSトロニックと呼ばれる、デュアルクラッチATが搭載されている。マニュアル操作での変速も楽しめるユニットだが、複雑なシステムで不具合もゼロではない。英国の場合、修理に1500ポンド(約24万円)は要する。事前に調子を確かめたい。

タイミングベルト

ガソリンエンジンは5年か9万6000km毎、ディーゼルエンジンは5年か12万kmで、タイミングベルト交換が必要。英国での交換費用は750ポンド(約12万円)程度になる。

ウォーターポンプ

アウディA3 サルーン(3代目/2013〜2020年/英国仕様)
アウディA3 サルーン(3代目/2013〜2020年/英国仕様)

プラスティック製のハウジングにヒビが入り、クーラントが漏れる可能性がある。放置するとエンジンにもダメージを与えてしまう。タイミングベルトと一緒に、予防的に交換しておきたい。

ディーゼル微粒子フィルター

ディーゼルターボは、日常的な短距離走行と相性が良くない。燃焼の不調から、ディーゼル微粒子フィルター(DPF)が詰まりがちになる。長距離を頻繁に走らないかぎり、ガソリンターボを避ける必要はないだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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