シブすぎん…? 子ども職業体験なのに「砂型鋳造」 マツダのねらい

公開 : 2023.10.27 11:50

・マツダの子ども向け職業体験がガチ
・「砂型鋳造」の全貌を公開
・マツダが渋い体験を企画したねらい

モビリティショーに職業体験

ジャパンモビリティショー2023の会場である東京ビッグサイト。その南展示場はメーカーのクルマなどが展示されるメイン会場の東展示場からは遠い。だが、ここにはトミカやスーパーカーなど、知る人ぞ知るといったマニアックなブースが並ぶ。そのいちばん奥にあるのが「アウト・オブ・キッザニア」だ。

キッザニアとは、東京・豊洲にある、子どもが職業体験できるアミューズメント施設だ。正式名称はキッザニア東京だが、同社と東京モーターショーがコラボレーション。前回(2019年)に「アウト・オブ・キッザニア」として、自動車メーカーの協力による職業体験ができるプログラムを開催し、大盛況となった。

ジャパンモビリティショーにてマツダが実施する「砂型鋳造職人の仕事体験」ブース。
ジャパンモビリティショーにてマツダが実施する「砂型鋳造職人の仕事体験」ブース。

そして名称をジャパンモビリティショーと変え、4年ぶりに開催された今回のショーでも、アウト・オブ・キッザニアが開催されている。

対象者は、3歳以上の未就学児か小学生。

未就学児に向けたプログラムは、ぬりえやタイヤ交換、缶バッジ製作など、比較的「子ども向け」なもの。

だが、小学生向けは、クレイ(粘土)によるモデル製作、エンジン組み立て、ハンマーを使った試作パーツ作り、研究開発提案など、けっこう本格的なものが用意されている。

中でも注目されているのが、マツダの「砂型鋳造職人の仕事体験」だ。一般公開日は小学生しか体験できないが、プレスデーは大人でも体験できた。

ちなみに前回(2019年)は、マツダは「金型磨き職人の仕事」を体験できた。今回は、より高度なものに挑戦できるということになる。

砂型鋳造職人の仕事体験の全貌

ブース内は、小さなマツダ工場といった雰囲気。席に座り(子ども用なので少し低い)、工場で実際にエンジンなどのパーツ用の砂型を作るときに使う砂を型に入れ、道具を使って押し固める。

工程は工員さんが優しく教えてくれる。固まったところで、高温で溶かしたスズ合金を型に流し込んでもらう(これは、さすがに工員さんがやってくれる)

砂型鋳造によって完成したメダル。
砂型鋳造によって完成したメダル。

流し込んだ合金が冷めたところで、砂型を壊して合金についた砂を落とし、余分な部分をカット。周囲のバリをヤスリで削れば、写真のようなメダルが完成する。

この工程、大人でもけっこう楽しい。自分で作ったメダルだと思うと、感慨もひとしお。子どもだけのプログラムではもったいないな、などと思ってしまった。

さて、なぜマツダは子ども向けとしては、かなり本格的なこのプログラムを選んだのか。マツダ本社工場第3パワートレイン製造部の石中祐介氏に伺った。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 編集

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

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