ハイブリッドでクラシックな「アメリカン」 ジープ・グランドチェロキー 4xeへ試乗 悪路性能は圧巻

公開 : 2024.05.22 19:05

フルサイズ・プレミアムのグランドチェロキー 自己主張強めの大胆なスタイリング 機能的でプレミアムなインテリア システム総合380psのプラグインHV 圧巻の悪路性能 英編集部が評価

自己主張強めの大胆なスタイリング

世界最大のオフローダー・メーカーが、ジープ。しかし、英国のSUV市場でのシェアは大きくない。それを改めるべく、小さなクロスオーバー、アベンジャーに続いて投入されたのが、フルサイズ・プレミアムのグランドチェロキーだ。

全長は4914mm、全幅が1968mm、全高は1799mmで、大きさはランドローバーのディスカバリーと同等。サイドミラーを含めた全幅は2149mmあり、英国や日本の一般道では少し手に余るサイズなことも事実だ。

ジープ・グランドチェロキー 4xe サミットリザーブ(英国仕様)
ジープ・グランドチェロキー 4xe サミットリザーブ(英国仕様)

北米にはロングボディの7シーター仕様もあるが、英国へ届けられるのは、今回の5シーターのみ。導入されるパワートレインは、プラグイン・ハイブリッド1択となる。

基礎骨格は、アルファ・ロメオジュリアマセラティグレカーレも利用する、ジョルジオ・プラットフォームの派生版。スポーティなサルーンから、約2.5tのオフローダーまでカバーするのだから、汎用性の高さに驚いてしまう。

スタイリングは、適度にクラシックなアメリカン。平滑なボンネットは大きく、クロームメッキで飾られた7本のグリルが与えられ、細身のヘッドライトが印象を引き締める。

大胆なデザインで、自己主張は強め。魅力的に感じるのは、筆者だけではないだろう。往年のワゴニアのように、ウッドパネルをサイドに貼りたくなる。歴史的バックグラウンドが香ることも、オフローダーの訴求力を強めている。

駆動用バッテリーの充電ポートは、フロントフェンダー側にあり、充電時は停める向きに悩む場面もありそうだ。ボディ側面に設けるなら、リアの方が勝手は良い。

機能的でプレミアムなインテリア

インテリアは、しっかりプレミアム。ランドローバー・ディフェンダーのような、わかりやすいオフローダー感は抑えられ、トヨタランドクルーザーより高級感がある。

試乗車は英国では選べない、キャラメル・レザーと明るいウッドパネルで仕立てられていた。指紋の残りやすいグロスブラックのパネルが多く、ソリッド感が足りない部分も見られるが、全体の印象は良い。

ジープ・グランドチェロキー 4xe サミットリザーブ(英国仕様)
ジープ・グランドチェロキー 4xe サミットリザーブ(英国仕様)

大きなタッチモニターは、Uコネクト5というソフトウエアで稼働。マセラティなどと同じシステムで、他社の最新システムと比べると若干シンプルな構成だが、そのぶん扱いやすい。スマートフォンとのミラーリングにも、無線で対応する。

実際に押せるハードボタンもふんだん。タッチモニターの上には車載機能用、下にはエアコン用で別れ、整然と並んでいる。センターコンソールには、ドライブモードとテレインレスポンスのセレクターも用意される。

ステアリングホイール上のボタンも好ましい。欧州の上級SUVと比べれば、洗練度では劣っても、機能的で操作性は勝る。オプションで、助手席側のダッシュボードにもタッチモニターを実装可能だ。

車内空間にはゆとりがあり、前席側は16ウェイのパワーシートで、快適な運転姿勢を決めやすい。肘掛けはゆったりしていて、小物入れも多い。シフトパドルは小さすぎるようだが。

後席側も広々。荷室の容量は533Lで、床面の位置が高く、想像より高さ方向が限られている。フロア下に、スペアタイヤが収納されているためだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    英国編集部ライター
  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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