「アメリカン・レトロ」な魅力 ジープ・グランドチェロキー 4xeへ試乗(1) 2.0LのプラグインHV

公開 : 2023.12.05 19:05

ジープから新型プレミアムSUV登場 歴史の香る自信に満ちたスタイリング 5シーターと7シーターが選択可能 お高めでも惹かれる魅力 英国編集部が評価

5シーターと7シーターが選べる大型SUV

世界最大規模のオフロードモデル・ブランド、ジープから新しいプレミアムSUVが登場した。全長は4914mm、全幅は1968mm、全高が1799mmで、高さ以外は同社のラングラー・アンリミテッドよりひと回り大きい。

北米市場には、ホイールベースが長い3列7シーターのグランドチェロキー Lも存在するが、英国では2列5シーターのスタンダードボディのみが販売される。ちなみに日本では、そのロングボディ版も提供されている。

ジープ・グランドチェロキー 4xe サミットリザーブ(欧州仕様)
ジープ・グランドチェロキー 4xe サミットリザーブ(欧州仕様)

ミラーを含めると、全幅は2149mmに達する。ボディの長さを問わず、島国の道が窮屈に感じられることは間違いないだろう。

同様に、3.6L V型6気筒エンジン版も存在するが、英国で選べるのは2.0L 4気筒ターボに2基の電気モーターが組み合わされた、プラグイン・ハイブリッドの4xe(フォーバイイー)のみ。トリムグレードも、サミットリザーブへ限定される。

ジープとはいえ、ボディはモノコック構造。アルファ・ロメオジュリアや、マセラティグレカーレも基礎骨格とする、ジョルジオ・プラットフォームの改良版となる。スポーツサルーンからフルサイズのSUVまで対応する、汎用性には驚く。

見た目には、アメリカンな風格がある。ボンネットはフラットで、7本並んだクロームメッキ・グリルと挑戦的な目つきのヘッドライトが、フロントを引き締める。ワゴニアをイメージさせる絶妙なレトロ感が、なんとも魅力的だ。

歴史を想起させる自信に満ちたスタイリング

近年のモデルは均質化し、少し退屈だと感じている読者もいらっしゃるだろう。ジープは、積み重ねてきた歴史を想起させる、自信に満ちたスタイリングをグランドチェロキーへ与え、その傾向を回避している。

充電ポートは、左側のフロントフェンダー。充電器の場所にもよるが、基本的には駐車枠へ前から停めることになる。アメリカとは違い、後ろから停めた方が利用しやすいと感じる人は少なくないかもしれない。

ジープ・グランドチェロキー 4xe サミットリザーブ(欧州仕様)
ジープ・グランドチェロキー 4xe サミットリザーブ(欧州仕様)

インテリアの雰囲気も良い。ランドローバーディフェンダーのように、露骨なオフローダー感は演出されていない。レンジローバーほど洗練されていないものの、トヨタランドクルーザーより高級には感じる。

ダッシュボードの中央には、ステランティス・グループのUコネクトと呼ばれるインフォテインメント・システムが稼働する、10.1インチ・タッチモニターが据えられる。扱いやすく、アップル・カープレイやアンドロイド・オートにも対応する。

実際に押せるハードスイッチも多い。モニターの下には、ダイヤルの付いたエアコンの操作パネルもある。センターコンソールにはドライブモードのスイッチが並び、ステアリングホイールも、ハードスイッチによるマルチファンクションだ。

装備は充実している。スマートフォンのワイヤレス充電パッドに、キーレスエントリーなどが標準。サミットリザーブ・グレードの場合は、フルレザー内装やウッドトリムなどのほか、ツートーン塗装と21インチ・アルミホイールでドレスアップもされる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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