期待の1.2L マイルドHV登場! ジープ・アベンジャー e-ハイブリッドへ試乗 今のベストバランス

公開 : 2024.04.04 19:05

バッテリーEV仕様が先行していたアベンジャーに、1.2L マイルドHV登場 容姿や内装はほぼ同じ 動力性能は高くなくてもステアリングはダイレクト 英国編集部が評価

1.2L 3気筒のマイルドHV 容姿はほぼ同じ

ジープアベンジャーの発売は2022年後半。当初は、電気モーター版のみの提供が英国では予定されていたが、実際の市場の要望を踏まえ、内燃エンジン版の投入も決定した。まだ電気自動車は早い、と考えている人は欧州でも少なくない。

ちなみに、ベースを共有するフィアット600eも、状況は似ているらしい。ガソリンエンジンを搭載した仕様が、英国にもやってくる可能性が高い。

ジープ・アベンジャー e-ハイブリッド・サミット(欧州仕様)
ジープ・アベンジャー e-ハイブリッド・サミット(欧州仕様)

現在、アベンジャーの内燃エンジン版にはMTのガソリンと、ATのガソリン・マイルド・ハイブリッドという2種類が用意されている。「選択の自由」を提供したと、ジープは主張する。

パワートレインは違っても、見た目はほぼ同じ。リアバンパーの下部からマフラーが出ていることと、マイルド・ハイブリッドのe-ハイブリッドでは、黄緑色の「e」のロゴがテールゲートに貼られる程度。シャープで若々しい雰囲気は、まったく変わらない。

搭載される内燃エンジンは、1.2L 3気筒ターボのピュアテック・ユニット。非ハイブリッドの場合、最高出力は100psで、燃費は17.8km/Lが主張される。

e-ハイブリッドでは、同じエンジンに電圧48Vのハイブリッドが組み合わされる。運転席の下に0.9kWhの駆動用バッテリーが載り、6速デュアルクラッチATに28psの電気モーターを一体化。システム総合での最高出力は128ps、最大トルクは20.8kg-mだ。

好印象なインテリアも基本的に同一

e-ハイブリッドのインテリアも、基本的に電気モーター版と変わりない。ATのシフトセレクターは、ダッシュボード下のボタンとなる。

着座位置は高めで、ステアリングホイールやシートの調整域は広く、理想的なドライビングポジションを探しやすい。内装は豪華とはいえないまでも、ジープらしい個性があり好印象。全方向に視界もいい。

ジープ・アベンジャー e-ハイブリッド・サミット(欧州仕様)
ジープ・アベンジャー e-ハイブリッド・サミット(欧州仕様)

ステアリングホイールの奥には、7.0インチのメーター用モニター。中級グレード以上では、10.25インチへ大きくなる。

ダッシュボード中央には、同じく10.25インチのインフォテインメント用タッチモニター。メニュー画面は論理的で、グラフィックは鮮明。アップル・カープレイとアンドロイド・オートに標準で対応する。

車内空間は、このクラスとしては広々としており、実用性は低くない。センターコンソールに大きな小物入れがあり、ドアポケットにはペットボトルを置ける。助手席正面の、ワイドな小物トレイもそのまま継承された。

後席側は、前席側の空間をゆったり取ると、やや窮屈。e-ハイブリッドの場合、駆動用バッテリーがフロントシートの下に搭載されるため、つま先の置き場に影響が出ている。

荷室容量は、電気モーター版では355Lだが、e-ハイブリッドでは380Lへ拡大する。トヨタヤリスクロスは397Lと、更に大きいが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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