イタリアの名門が電動自転車へ参入 ドゥカティMG-20へ試乗 フレームはマグ製

公開 : 2022.08.16 08:25

バイク界のフェラーリやランボと称される、イタリアのドゥカティ。最新の電動自転車へ英国編集部が試乗しました。

スタイリッシュなマグネシウム製フレーム

今回試乗したドゥカティMG-20は、電動二輪車などを得意とするイタリアのプラチナ社との協力で誕生した、折りたたみ式の電動アシスト自転車。英国価格は、1699ポンド(約28万円)となっている。

長い伝統を持つイタリアのバイクメーカーとして初めての取り組みで、特徴の1つが軽量なマグネシウムをフレームの素材に選んだこと。一般的なスチールやアルミではなく、デザインもバイクと同様に人目を引くスタイリッシュさがある。

ドゥカティMG-20(英国仕様)
ドゥカティMG-20(英国仕様)

「流れるように空気抵抗の良さそうなプロポーションと、ダイキャスト技術を用いて成形された6スポークのシャープなホイールなど、ドゥカティらしいスポーティな個性がデザインとして表現されています」。と、同社はMG-20を説明する。

風洞実験まではしていないため空気抵抗は不明とはいえ、確かにブランドらしいレッドとブラックの配色や、個性的なフレームのフォルムは印象的。ホイールもカッコいい。

ドゥカティとして初めの折りたたみ式電動アシスト自転車ながら、乗り心地は良好。急な上り坂でも比較的漕ぎやすく、アシスト距離も長い。とはいえ、熟成度はほどほどといえそうだ。

アシスト距離は40kmから70km

駆動用モーターは、出力250Wのものがリアホイールのハブ内に実装されている。アシストレベルは、12km/h、18km/h、25km/hという3段階から、ハンドルバーのモニターを介して選択できる。

しかし、モーターの制御が追いつかないのか、モードに関わらず、登り坂でない限り25km/hへ簡単に達してしまう様子。スピードを一定に保つのも、少々苦手なように感じた。その反面、勾配の多い地域ではレベル3は力不足かもしれない。

ドゥカティMG-20(英国仕様)
ドゥカティMG-20(英国仕様)

自転車のマニュアルには、MG-20は10%以上の勾配では乗らないように、と注意書きがある。また、使用できる気温は0度から40度まで。寒い地域の冬場や、暑い地域の夏場では、充分な能力を発揮できない可能性がある。

駆動用バッテリーは、韓国サムスン製。電圧36Vで378Whの容量を持つ。フレーム内の太い部分に搭載されており、折りたたんでロックを解除すると、簡単に抜き出せる。

アシスト距離は40kmから70kmがうたわれている。今回の試乗では、レベル3の状態で約40kmを走り、まだバッテリーは40%も残っていた。ハンドルバーのモニターに表示される情報によれば、だが。

バッテリーの残量は、システムをオンにした瞬間に100%が表示されても、すぐに70%まで落ちる場合もあった。目安程度にし、自分でどれくらい走ったのか覚えておいた方が良いだろう。1度の充電で50km以上は走れそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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