全長5.1m、スーパーカーのような大型EVセダン 6月16日公開へ 車名はまさかの「無し」

公開 : 2023.06.01 06:05

イタリアの新興企業アエラは、新型のEVセダンを6月16日に公開する予定です。2025年に生産開始予定で、室内スペースを広くとった大型の高級セダンになるとのこと。固有の車名は与えられていません。

イタリア新興企業、2台目の市販車 6月デビュー

イタリアと米国に拠点を置く新興EVメーカー、アエラ(Aehra)は、6月16日に新型の高級セダンを公開すると発表した。価格は16万ユーロ(約2380万円)と予告されている。

アエラは今年1月に「SUV」をデビューさせており、今回のセダンは同社2台目の市販車となる。SUVと同様に、固有の車名は与えられないという。特定のネーミングを使わないことで、イメージの固定化や顧客層の限定を避ける狙いだ。

新型セダンは2025年に生産開始し、16万ユーロで発売されるようだ。(画像は予想レンダリングCG)
新型セダンは2025年に生産開始し、16万ユーロで発売されるようだ。(画像は予想レンダリングCG)    AUTOCAR

予告画像が公開されているが、ショートオーバーハング、クーペスタイルのルーフライン、特徴的なヘッドライトおよびテールライトなど、全体的にアグレッシブなスタイリングとなるようだ。

ランボルギーニ出身のチーフデザイナー、フィリッポ・ペリーニ氏はAUTOCARの取材に対し、新型セダンはSUVと「ほとんど同じ」外観になると語っている。また、流麗なボディとシャープなラインを持ち、スーパーカーに近いデザインだという。

ペリーニ氏は、これまでデザインした中で「最高のクルマ」と称し、「エクステリアが素晴らしい」と語った。

アエラのデザイン責任者であるアレッサンドロ・セラ氏は、「わたし達はただ、イタリアの最も魅力的なEVブランドになることを目指しているだけです」と述べている。

室内スペースの広さを重視し、SUVに見られるようにダッシュボードはフロントアクスルの上に配置され、身長180cm以上の乗員が「快適」に座れる広々とした空間を実現するという。ドア形状も「普通ではない」とセラ氏は言うが、SUVのシザードアのような形はとらないとのこと。

生産コストと最小限に抑えるため、コンポーネントの70%をSUVと共有する予定だ。全長約3.0mのモノコックシャシー(セダンのボディサイズは全長5.10m)と120kWhのバッテリーを採用し、航続距離は800km近くになる見込みである。

また、パワートレインは最終的にどのサプライヤーと契約するかによって異なり、2基または3基のモーター(フロントアクスルに1基、リアアクスルに2基)が搭載されることになる。

セラ氏は、「親しみのある雰囲気を持ち、デザイン言語は(SUVと)同じですが、フロントは若干の違いがあります」と述べている。

また、ペリーニ氏は、「このようなクルマ、プレミアム(セダン)を作るのは難しい。デザインに遠慮は禁物です」と述べている。

セダンの生産は2025年、納車は2026年に開始される予定だ。

アエラは、各モデルを年間最大2万5000台生産し、2026年には欧州、北米、中国などの市場で「戦略的モデル展開」を行う予定であるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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