FIAT 500e × 伊藤梓 3つのグレード、おすすめは? 純EV初のオープンも

公開 : 2022.06.30 11:40

スーッと滑らか 軽快さに感激!

もちろんFIATのクルマとして大切なのは、デザインだけではなく、毎日運転する喜びを得られること。

早速、都内を一緒にドライブしてみることにした。運転席に乗り込むと、また新たな心ときめくポイントを発見。

「ICON」と「OPEN」は、「FIAT」のロゴがモノグラムになったシートが装備されていて、おしゃれなブランドの家具やバッグなどを思わせる。

さらに「500」のロゴがそこかしこに隠れていたり、スマートフォン用ワイヤレスチャージングパッド(ICON/OPENに装備)にはトリノの街のシルエットが描かれていたりと、様々なところにオーナーがニッコリできる仕掛けが用意されている。

ドア内側、ドアポケットの底にはNUOVA(ヌォーヴァ)500のイラストが描かれている。

スタートボタンを押してみると、当然のことながらエンジンは掛からず、無音のまま。不思議な気持ちになりながら、インパネに備えられたDボタンを押し込んで、アクセルペダルを踏んでみると、500eはスーッと滑らかに走り出した。

その軽快さと言ったら! 500のツインエアエンジンがうんうん唸りながら走っているのもそれはそれで「らしさ」があって好きだったけれど、500eのどこからでもスムーズに加速していく感覚は、新しい世界が開けたような気持ちになる。

軽やかに、滑らかに、静かに、街を駆け巡る。

ハムスターが狭い筒を簡単に通り抜けるのと似たような仕草で、細い道にもどんどん入っていける。

「モーターならではの軽やかな加速と、FIATの抜群のハンドリングが組み合わさると、こうも気持ちがいいんだ」と感心するばかり。

「POP」は、素の500eの良さが感じられる優しい乗り味で、「ICON」と「OPEN」は、ホイールサイズが「POP」より大きいこともあって、乗り心地はもちろん良いうえ、シャープなハンドリングにさらに磨きがかかり、よりキビキビと街を駆け抜けられる。

「OPEN」の屋根を開けてみると、立ち並ぶビルの隙間から空が見えた。

サスペンション形式は、前:マクファーソンストラット、後:トーションビーム。ブレーキは前:ディスク、後:ドラムの構成となる。

初夏の匂いが車内に入り込んでくると、心も爽やかになって「もっと遠くまで出かけてみたい」と素直に思えた。

FIAT 500e 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    伊藤梓

    Azusa Ito

    クルマ好きが高じて、グラフィックデザイナーからカーグラフィックの編集者へと転身。より幅広くクルマの魅力を伝えるため、2018年に独立してフリーランスに。現在は、自動車ライターのほか、イラストレーターとしても活動中。ラジオパーソナリティを務めた経験を活かし、自動車関連の動画などにも出演している。F1が大好きで、いつか全戦現地観戦するのが夢。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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