【連載:清水草一の自動車ラスト・ロマン】#37 夏はフェラーリに乗らない!藪入りのすすめ

公開 : 2026.07.24 12:05

自動車はロマンだ! モータージャーナリストであり大乗フェラーリ教開祖の顔を持つ清水草一が『最後の自動車ロマン』をテーマに執筆する、隔週金曜日掲載の連載です。第37回は『夏はフェラーリに乗らない!藪入りのすすめ』を語ります。

大貴族号が帰ってこない!

大貴族号(筆者の愛車、先代マセラティクアトロポルテ)が車検から帰ってこない。

どうしたんだろうなーと思ってマイクロ・デポのブログを見たら、なんとタコちゃん(岡本和久代表)が入院していた! 猛暑による過労でしょうか? 心配だなぁ。早く元気になってー!

筆者の車庫で藪入り中のフェラーリ328GTS、通称スッポン丸!
筆者の車庫で藪入り中のフェラーリ328GTS、通称スッポン丸!    清水草一

大貴族号が不在でも、当方が困るのは、この連載が休載になることだけで、それ以外にはなにもない。逆に『夏はいないほうがいい』とさえ思う。

そもそもこういうクルマは、日本の猛暑下で乗るべきじゃない。暑ければ暑いほどトラブルのリスクは高まり(たぶん)、路上で止まってしまえば本人のリスク(熱中症等)も高まる。

私は昨年7月、大貴族号で秋田まで往復しましたが、それはロマンを求めての覚悟の特攻だった。最低限、覚悟は必要だ。

フェラーリ(フェラーリ製エンジンを積む大貴族号を含む)は、車両火災のリスクも高いと思われる。なにしろ昨年3月、私のフェラーリ328GTSも火が出ましたし……。

その直後には、首都高浜崎橋JCTで白い458スパイダーが炎上して大きなニュースになった。11月には、財務省前の一般道で430と思われるフェラーリが炎上。同月には首都高湾岸線でケーニッヒ・テスタロッサ(?)も燃えた。

フェラーリは車両火災が多い!?

今年に入ってからは、2月にやはり首都高で赤いフェラーリ(車種不明)が全焼し、7月には、湾岸線西行き川崎航路トンネル内でF8トリブートが炎上。約4時間通行止めになった。

こうして見ると、フェラーリは古い新しいにあまり関係なく燃えている。ちなみに大貴族号と同じ5代目クアトロポルテも、8年くらい前に世田谷区の国道246号線で1台燃えたようです。

「フェラーリは車両火災が多いってイメージがあるけど、実際はそうでもない!?」
「フェラーリは車両火災が多いってイメージがあるけど、実際はそうでもない!?」    清水草一

「フェラーリは車両火災が多いってイメージがあるけど、それはフェラーリが燃えるとニュースになるからで、実際はそうでもないのでは?」

そう思ったりもするけど、どうなのか。

ちょっと古い資料ですが、令和2年の消費者庁および国交省のデータベースに掲載されたメーカー別車両火災情報によると、全メーカーの平均値が『1万台あたり2.1件』なのに対して、フェラーリは『1万台あたり13.5件』。単純計算で6.4倍、平均走行距離の短さを考えると、実際のリスクは数十倍!?

ちなみに2025年度、首都高で発生した車両火災発生件数は26件(出展:『首都高ドライバーズサイト』車両火災の発生状況より)。少なくともそのうち数件は先に挙げた例となるはずで、フェラーリが占める割合は、保有台数に比して信じられないほど高いとも言える。たまたまかもしれませんが(編集部注:筆者の328火災は2024年度なので含まれていません)。

フェラーリの火災例を見ると、特段夏に多いわけではないが、やっぱり真夏は良くないだろう。なにしろ暑い中、熱い炎が出るのですから……。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    清水草一

    Souichi Shimizu

    1962年生まれ。慶応義塾大学卒業後、集英社で編集者して活躍した後、フリーランスのモータージャーナリストに。フェラーリの魅力を広めるべく『大乗フェラーリ教開祖』としても活動し、中古フェラーリを10台以上乗り継いでいる。多くの輸入中古車も乗り継ぎ、現在はプジョー508を所有する。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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