近い存在なのに全然違う! ジープ・コマンダーとコンパス 個性を深堀り

公開 : 2023.01.16 11:20

車格に見合ったパワーユニット

ディーゼルと聞いて思い浮かぶのは、燃料高騰の今にあって「省燃費性能に優れる!」という事実だろう。燃費もいいし燃料代も安いのだから、ディーゼル特有の排気音など大した問題ではないという人も多いはず。

だが実際にコマンダーで走り出してみると、燃料代だけでないディーゼルのメリットが感じられた。

コンパスに比べ270kg重いコマンダーを、ディーゼル+9速ATはしっとりと力強く走らせる。今回の試乗は2名乗車だったが、これがもし7人乗りだったとしたら? と考えるとコマンダーの心臓はディーゼル以外にはありえなかったはずだ。

一方のコマンダーからコンパスに乗り換えるといつも以上に軽快さが際立つ。2.4Lのガソリン・マルチエアーユニットは自然吸気なのでこちらもしっとりトルクフルな性格なのだが、取り回しやすいボディサイズを含めてコマンダーとは完全に別物といえる。

また今回のコンパスとコマンダーはどちらもグレードがリミテッドなので、オンデマンドの4WDシステムを採用している。

ところが絶えず4WDゆえの接地感が強いコマンダーに対し、コンパスは軽やかで都会的な乗り味。この2台には5人乗りか7人乗りかという以上の差異があるのだ。

ジープ・コマンダー 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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