クルマ漬けの毎日から

2025.12.24

スティーブ・クロプリー(英国版編集長)の取材や日常を通して見た2025年を、写真とともに振り返ります。前編では、1月から6月までをお届けします。

クルマを通して見た「2025年」前編【クロプリー編集長コラム】

もくじ

「スピード」で振り返る 2025年
1月 ブルックランズの恒例イベント

「スピード」で振り返る 2025年

よく指摘されるように、イギリスの道路ではドライバーはかつてよりも「スピード」を楽しめなくなっている。安全という側面から見れば、それはやむを得ないことだろう。

クルマの台数は増え続け、また国は道路整備に十分に取り組んでこなかった。しかし、それはまだよくいわれているほど最悪な状況ではない。イギリスではまだ十分に運転を楽しむことは可能だ。渋滞しにくい時間帯やルートを選ぶなどの下調べや工夫が、いわゆる古き良き時代よりも必要になってはいるが。

ところで、「スピード」をカーエンスージァストたちが集まる頻度として見ると、かつてこれほどスピードメーターが振れたことはなかった。

イギリスでは今年、クルマ関連の興味深いイベントがこれまで以上に多く開催され、私たちに参加を呼びかけた。また、クルマ好きの人たちのコミュニティも、これまでで最も大きくなっている。

今年、クロプリー編集長が長期テストしているルノー5 E-テック。秋にはスプリントレースに参戦した。

次に、自動車製造業の変化を「スピード」という視点で見てみよう。自動車製造業の変化は、かなりのハイスピードで起きている。アメリカの関税は専門性の高い小規模ブランドの販売に大きな影響を及ぼしている。

また、ここイギリス市場では低関税が続いているため(総合的に見れば、これは称賛に値する)、中国の自動車メーカーはイギリスを大きなターゲットにしている。というのも、中国の自動車メーカーはヨーロッパでは販売規制という困難に直面し、また中国国内では熾烈な競争を繰り広げているからだ。

しかしそれでも、こうした状況から2つの喜ばしい結果が生まれている。1つは、EUが欧州産EVの増産に向けて、独自に小型EVのカテゴリーを新設すること。もう1つは、ルノー5とフィアット・パンダの系譜に、魅力的な新型モデルが登場したこと。来年はさらに多くの魅力的な新型が登場する見込みだ。

それでは、私のカメラを通して、この1年を一緒に振り返ってみよう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。
 
 

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