ホンダS660

■どんなクルマ?

2013年の東京モーターショーにおいて、コンセプト・モデルが披露されてから約1年半。ホンダの新世代軽スポーツがついに発売される。

“S660″、エスロクロクマルと呼ぶこのモデルは、車名からはかつてのS500/600/800、あるいは’99年に登場したS2000を連想させるが、コンベンショナルなFRスポーツという形式を採用したご先祖様とS660とのあいだに、共通性はほとんどない。

現在、ホンダは軽自動車の市場におけるシェアを拡大しているが、その躍進の原動力となっているのがNシリーズだ。S660はそのパワートレーンを大幅に改良して新設計シャシーに搭載したスポーツ・モデル。エンジンはドライバーの背後に横置きミドシップ・マウントされ、後輪を駆動する。

ルーフは完全なオープンではなく、着脱式のキャンバス・トップを採用。オープン時にもドライバーの背後には強固なBピラーが残る、いわゆるタルガトップ・ボディとなる。オープンかタルガかという違いはあるものの、S660のコンセプトは’90年に登場したビートの後継といっていい。ボディ・カラーに鮮やかなイエローを用意している点も、両車に共通している。

いっぽうで時代性を感じるのがトランスミッションだ。スポーツモデルゆえ6速M/Tが用意されるのはスポーツカー好きにとってありがたい限りだが、S660にはエス・シリーズおよびビートには用意されなかった2ペダル・ミッションのCVTが用意される。

CVT車のステアリングにはパドルシフトが備わるとはいえ、6速M/T車と比べるとレッド・ゾーンが700rpm抑えられるなど、スポーツ・モデルとしてよりシティ・コミューターとしての性格が強く感じられる。幅広いユーザー層に「運転する愉しさ」を届けたいという、開発コンセプトを感じさせる。

とはいえ、S660の中身はかなりハードなもの。期待された自主規制枠を超えることはなかったものの、Nシリーズに搭載されるS07Aターボ・ユニットはレスポンスを高めた専用のターボチャージャーと組み合わされ、優れた応答性を実現している。

そのエンジンが搭載されるボディは、実走テストとコンピュータ解析を徹底的に繰り返すことで鍛え上げられ、S2000を上回ると曲げ&ねじり剛性を達成。タイヤは専用開発となるヨコハマ製ハイグリップ・ラジアルのNEOVA AD08Rを装着。本格派ミドシップ・スポーツらしく前後で異なるサイズを組み合わせる。

 
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