【転売ヤーの仕業?】高騰するホンダS660の中古車事情 相場はいずれ落ち着く?

公開 : 2021.08.10 05:45  更新 : 2021.10.09 23:39

生産終了が発表されたS660の中古車相場が高騰しています。新車以上のプライスとなった個体も。高騰の要因を考察します。

中古相場高騰するS660 新車以上の個体も?

text:Kenichi Suzuki(鈴木ケンイチ)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

ホンダの軽スポーツカーである「S660(エス・ロクロクマル)」。

本田技術研究所設立50周年を記念した商品企画提案を発端に開発が始まり、2015年4月に発売を開始した、ミドシップエンジン・レイアウトを採用する2シーター・スポーツカーだ。

ホンダS660
ホンダS660

その「S660」の中古車価格相場が高騰している。

「S660」の定価は、スタンダードな「βグレード」が203万1700円、上級の「αグレード」が232万1000円。そして、カスタムモデルである「S660モデューロX」が304万2600円であった。

ところがネットの中古車販売サイトを覗いてみれば、2018~2021年式で走行距離1万km未満の程度の良い中古車に200万円台後半から400万円台のプライスがついている。

スタンダードな「αグレード」や「βグレード」で200万円台後半から300万円台、カスタムの「モデューロX」であれば400万円以上。

新車の定価よりも高値がつけられているのだ。

また、初期の2015~2017年ごろの車両であっても、走行距離が3万kmを切っているなど程度が良ければ、250万円以上も珍しくないのだ。

逆に中古車価格が200万円以下となると、走行距離が10万kmをこえた車両やCVTがほとんど。MT車を欲しい場合は、最低でも200万円から探すことになる。

「新車では手に入らない」相場押上げる

そんな、中古車相場高騰の理由はシンプルなものだ。

それは「S660の販売が2021年3月に終了してしまった」から。

ホンダS660「モデューロX バージョンZ」
ホンダS660「モデューロX バージョンZ」

つまり、「新車が欲しくても、買うことができない」から、中古車相場価格が高騰してしまっているのだ。

ちなみに、2021年3月12日に生産終了記念で発売された、特別仕様車「S660モデューロX バージョンZ」(315万400円)は20日ほどで売り切れになり、スタンダードなモデルも3月末までに、すべて完売となっていたという。

振り返ってみれば、「S660」は、2015年のデビュー時から非常に高い人気を誇ったモデルであった。

月産わずか800台という少数生産ということもあり、デビュー直後は納車待ちが年単位になるほどであった。

モデルライフの後半は、やや落ち着きを見せたとはいえ、今回の販売終了に伴う中古車相場の高騰を知れば、その人気の根強さは健在ということだろう。

記事に関わった人々

  • 鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

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