ロードカー、本当に公道を耐えうる? フォードGT vs ラディカルRXCターボ vs 911GT3 RS 後編

2017.11.11

長く過酷な「耐久戦」 勝者は?

ここからシェフィールドの西のはずれにあるリンギングロウ・ロードを通って、ピーク・ディストリクトまではほんの64kmほどしかないが、そこでわれわれは今回のレースカーによるツアーを締めくくるつもりだった。

そこまでの道のりを共にする1台を選ぶ必要があったが、もし、どれだけ運転を楽しめるかを基準にしたなら、ポルシェを選んだだろう。

しかし、既にポルシェは何度も運転していたし、過去2年間だけでも幾度となくそのチャンスがあった。そして、フォードGTがわたしの名前を再び呼んでいた。

その使いやすさにはきっと驚くに違いない。ラディカルのように我慢を強いられることはなく、そのすべてに一日中敬服することになるだろう。

固定されたシートとスライド調整可能なペダル、ステアリングは体のかなり近くまで引き寄せることができ、クールで心地よい仕上げの金属ノブとスイッチでドライブ・モードとギアの選択が可能である。

このクルマは専用レーシングカーが公道にも完全に適応できるということを改めて思いださせてくれる。

フォードGTの専心ぶりは本当に魅力的で、これまでの経験に並ぶものなどないが、あまりにも容易にその素晴らしさを味わわせてくれるのである。

ピーク・ディストリクトのムーアサイド・ロードは、他の2台に比べフォードGTにとってはより狭く感じる道だった。想定以上にキャッツアイを踏む羽目になったお陰で、左ハンドルを恨めしくさえ思った。

それでも、全てのコーナーリングが素晴らしく、全ての短く見晴らしのいい直線では、ターボ過給されたV6エンジンのどう猛さと、その味わいを楽しむことができた。

この旅最後の写真撮影をする頃には、道路は自転車と歩行者で埋まっていた。多くの歩行者は、聞こえてくる奇妙な音を、珍しいヨーロッパヨシキリの発情期の声だと思ったかも知れない。

実際には、圧縮空気で作動するラディカルRXCのギアボックスを、バックギアに入れようとして失敗した時の音だったのだが……。

それでもここまで来た。何も壊れず、皆まともなままだ。多くの事実を明らかにすることができた。

最も過激なトラックカーも正しい道のりでれば、公道でも使用できることを証明したのだ。

残すはこの旅の勝者であるフォードに乗って家に帰るだけだ。帰る道すがら町の郊外を通ると、下ろした窓から、シェフィールドっ子が笑顔でロトはどの番号にかけたのかと聞いてきた。彼女は良いところに気付いた。

GTはまさしくロトに当選したような気持ちを味わわせてくれる。彼女が思うような当選ではないとしても。

 
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