海外試乗

2019.04.20

狙い過ぎたマツダ・ロードスターのライバル BMW Z1とロータス・エランS2

BMW Z1/ロータス・エランS2(M100)

文・グレッグ・マクレマン 

編集部より

マツダMX-5がコンパクトなロードスターとして好評を博していた当時、同じオープン2シーター・スポーツにイノベーションをもたらした2台のライバルモデルも存在していました。それが今回ご紹介する、BMW Zリシーズの先駆けとなったZ1と、いすゞの協力を得たロータス・エランです。

もくじ

マツダMX-5(ロードスター)で震えた1989年
BMWテヒニーク社による初めての研究成果
完璧な重量配分に先進のサスペンション
前輪駆動の課題に向き合った新開発ウイッシュボーン
エンジンとトランスミッションはいすゞ製
ロータスならではのハンドリング
BMWとロータス、それぞれの個性
オーナーの声
2台のスペック

マツダMX-5(ロードスター)で震えた1989年

1989年という1年は、誰かの誕生日や記念日はあったにしろ、多くの人にとって深い記憶に残っている年ではないかもしれない。でもダスティン・ホフマンにとっては、映画レインマンでベルリン国際映画祭のゴールデンベアー賞を獲得したから、特別な年だろうけれど。

そんな1989年は、マツダMX-5(ロードスター)がシカゴ・オートショーでアンベールされた年でもあり、ロータスとBMWのデザイナーや経営責任者などは、強いショックで震えていたと思う。オリジナルのエランが打ち立てながらも廃れていた自動車のカテゴリーを、日本のメーカー1社で見事に復活させたのだから。マツダがインスピレーションを受けたであろうクルマは、かつてのロータスのカタログモデル。その衝撃は自動車メーカー全体へと広がり、ロータスの上層部にとっては、悔しい事実だったはず。

そしてその傷口に自ら塩を塗ってしまったようなクルマが、数カ月後にリリースされる。1989年後半に、シリーズ4のセブン以来初めてとなる、まったく新しいオープンスポーツカー、M100型エランが発表されたのだ。

一方でミュンヘンの自動車メーカーは、それほど悲観的には受け止めていなかったかもしれない。BMWはすでにZ1の計画を進めており、1987年のフランクフルト・モーターショーで発表の後、翌年にかけて5000台を超えるプレオーダーを受けていた。安価で軽量、運動性能にも優れたライバルの登場は歓迎できるニュースではなかったかもしれないが、BMWのニューモデルへの需要は強く、投機目的も含めて、注文数は増える一方。市場の注目もすぐに取り戻せると考えていた。

注文した動機に関わりなく、注文したひとびとはZ1のステアリングを握ることを心待ちにしていたに違いない。ドイツ語で未来や将来を意味する「Zukunft」や、BMWの技術部門の中心を意味する「Zentral Entwicklung」など、様々な言葉を連想させる「Z」の頭文字が付いていたのだから。

 
最新試乗記

人気コンテンツ