[アバルト70年の歩み]特別コンテンツ

ロータス史上最高の3台 エランS2/エスプリ・スポーツ300/エリーゼS1 一気乗り

2017.07.08

100字サマリー

ロータスの中で、最もベストと思われる3台を、CLASSIC&SPORTS CAR編集部のアンドリュー・フランケルが試乗しました。じっくりとご覧ください。

条件「すごいドライビングをするならば貸す」

オーナーが大切に扱っている愛車を試乗のために借りる場合、よほどのことがない限り、何らかの制約がかけられてくるものだ。

丁寧に扱うことは当然として、エンジン回転数を一定以下に制限されたり、公道走行に限るなどの条件は、ごく普通だ。

仮にサーキットの走行が許されたとしても、周回数を制限されることは覚悟せねばならず、オーバーステアの体験などは論外ということになるはずだ。

ところが、ここでお見せする素晴らしいコンディションのエスプリ・スポーツ300のオーナーであるケン・ベアード氏は、とんでもない条件をつけてきた。

彼が提示した条件はただひとつ、「フランケルが腰の抜けるほど、凄いドライビングをしてくれるのなら、貸し出すのはOKだ」ということだった。

彼のおかげで、われわれは、なぜ、これほどまでに皆がロータスを愛しているかを、とことん知ることができたのだ。彼には大いに感謝したい。


わたしが彼の目の前でロータスのテストコースを周回している間、彼は自分のクルマが全開でアタックしているのを見、チューンされたエンジンが最大限のパワーで吠えているのを聞いていた。

わたしとしては、このクルマのバランスの良さと、オーナーの寛大さのどちらが大きいのか確信が持てなかったが、ただ、その両方に深く感動するしかなかったのである。

ロータスが、2015年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、60周年を迎えるブランドとして祝福されることになり、それを記念して、本誌編集長より、その最もロータスらしさを体現したモデルを、歴代の中から3台選び、テストをすることを任命された。

この記事の最後で、これ以外の注目すべき3台のモデルについても採り上げたが、ひとまず、最初に選んだ3台について述べていきたい。


エランはこの中ではおそらく異論の余地の全くない1台だろう。エランが登場したときロータスはすでに創業から10年を経過していたが、わたしにとってはロータスの精髄中の精髄というべきクルマであり、このメーカーのテンプレートと言ってもいい。

新型のロータスは必ずや、単純な構造や軽量化、美しさとバランスなど、エランを参考にしながら設計されるはずだ。さて、どのエランを選ぼうか? 2+2は別とするが、状態がよければどの個体でも問題はないだろう。

結局、ポール・マッティ氏が1966年式のS2を提供してくれたが、これは完璧なコンディションだった。完全にオリジナルの、愛すべき標準型のエランである。

そしてエスプリを無視するわけにはいかない。ロータスの60年の歴史の中で、半分を過ぎた辺りのモデルだが、それは問題ないだろう。

ひとたび、エスプリと決まれば、どのタイプを取り上げるかは簡単だった。スポーツ300が最高のエスプリだ、ということによもや異を唱える人はいないだろう。


最後に、わたしはエリーゼを選ぶことにした。このクルマは現在でも新車で買えるし、バスタブシャシーは1996年に遡る初期型からほとんど変わっていない。そしてこのクルマはロータスの危機を救った功労者でもある。

エリーゼがロータスの最良の設計方針に忠実に則って完成された、ということについては、語りつくすことがないほどだが、エランに乗った直後にドライブする、という経験は今までなかった。

エリーゼが他のどのクルマよりもロータスらしいのは間違いない。試乗車は、ロータスから提供された1998年式のシリーズ1で、ストーンチップ処理のノーズと剛性感の高いトランスミッション、107,000マイルの走行距離がこれまでの経歴を見事に証明している。

 
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