ロードテスト メルセデスAMG C63 Sクーペ ★★★★★★★★★☆

2019.05.12

内装 ★★★★★★★☆☆☆

もしも目隠しをして、通常のCクラス・クーペとAMGバージョンのコクピットを座り比べたら、きっとどっちがどっちか言い当てられるだろう。それを教えてくれるのは、胴体をガッチリ支える硬めのシートと、マイクロファイバーが巻かれたステアリングホイールだ。

とはいえ、その2点を除けば、概ね通常のCクラスのインテリアと変わらない。ダッシュボードの上にはディスプレイが鎮座し、その下には円形の送風口が3つ並び、センタークラスターにはエアコンの操作パネルと、ナビゲーションとインフォテイメントのショートカットボタンが配置される。インフォテイメントのロータリー式コントローラーもまた、センターコンソールの大きな小物入れのすぐ後ろという定位置にある。

計器盤はアナログではなくデジタル表示だが、12.3インチの鮮明な新型ディスプレイを採用。インフォテイメントのディスプレイは、従来モデルより大型の10.3インチとなった。賞賛を集めたレイアウトは、エルゴノミクス的にいえば現在でも十分に通用するものだが、全体的な構成にはそろそろ刷新が必要だと感じさせるところもある。

マテリアルのリッチな質感も印象的だが、それも部分的に見ればの話。ステアリングホイールは、リムを覆ったアルカンターラ風素材が、握った途端に手のひらと指先へC63のパフォーマンスカーとしての血統を伝えてくるが、プラスティックのスイッチ類は1200万円級のクルマにそぐわないクオリティだ。ダッシュボード上面やドアトリムに張られたアーティコと呼ばれる合成皮革も、この価格のクルマなら本革を標準装備してもらいたいというのがテスターたちの感想だ。

クーペスタイルはセダンやワゴンより魅力的なルックスをみせるが、実用性では当然ながら劣る。われわれの計測では、後席はヘッドルームが800mm、レッグルームが650mmだが、子供ならともかく、大人が快適に過ごせる場所ではない。それは、乗降性に関しても同様だ。トランクルームの容量は355ℓで、それなりに広くはあるものの、BMW M4の455ℓには大きく水をあけられている。

 
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