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初試乗 アルピナB4 S エディション99 452ps F32型ラストのスペシャル・クーペ

2019.06.03

極めて深遠なエディション99の安定性

ザルツブルクのサーキットは小ぢんまりとしており、ストレートも短い。452psを解き放てばどこまでも加速していくはずだが、充分3速まででもこのクルマの本質は体感できた。アルピナのフロントタイヤの接地感はスタビリティのお手本といえるようなもので、緊張感のないバランスとニュートラルさは特筆に値する。高速コーナーでは、正直標準モデルとの差は明確には感じられなかった。

だが、エディション99の安定性は極めて深遠。アクセルを蹴飛ばしリアタイヤへパワーを一気にかけても、クルマの挙動は激しく乱れることもない。わずかなスリップアングルを保ちつづけるだけ。つまり、相当に攻め込んだ走りを簡単に楽しめるということでもある。ロードーカーとして、非常に優れた性格付けだといえる。

ちなみに、トルク感知型のリミテッド・スリップデフはオプション装備。3000rpmも回せば69kg-m以上のトルクが湧出するから、コーナーでの立ち上がりをスピーディにエレガントに決めたいのなら、ドレクセラ製のLSDはぜひに選んでおきたいアイテムだ。

最後にもうひとつ。もしアルピナがシフトパドルをこれからも採用するのなら、クリックのタッチは改善したほうが良い。指先へ伝わる感触を明確に、操作へのフィードバックが欲しいと感じた。

 
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