試乗 ルノー・クリオ(ルーテシア)TCe100 1.0L3気筒ターボ 優秀な素地

2019.07.20

セグメント上にも匹敵する乗り心地

垂直方向のボディコントロール性も良好。横方向の制御はややおっとりしているが、パフォーマンスを考えれば欠点として指摘するほどではない。クルージング時に静かな理由は、エンジンだけではなく、このシャシー性能の高さにある。しっかりコストが掛けられてあることは明白で、素晴らしい仕上がりを得ている。今年の後半にはロードテストとしても取り上げる予定だが、高速巡航時の上質さではセグメント上のゴルフクラスのライバルにも匹敵するという結論も、可能性としてはありそうだ。

ステアリングフィールの物足りなさには目をつぶって、クルマをプッシュしていくと、低転がり抵抗のタイヤが先にギブアップしてしまう。しかし、そこで感じ取れるシャシーバランスの良さには驚かされる。リアタイヤの追従性の高さだ。

ESPシステムの管理はどうにもならないし、直線を飛ばして走るにも一生懸命にならざるを得ないが、クルマの小さなテールが楽しさを生んでくれる。空力性能の向上も、貢献しているはず。ここまでクルマを操れる懐の大きさを持っているのは、フォードとミニくらい。これから登場するであろう、RSクリオへの期待が高まる。

価格はまだアナウンスされていないが、今回の試乗車の中間グレードの場合、1万7000ポンド(231万円)程度になるだろう。割高にも思えるが、ロードマナーで優れ、非凡なインテリアの質感を備えたクルマだ。恐らく現在のクラスリーダーである、フォード・フィエスタよりも、多くの人にとっての所有時の満足感は高いと思う。特にフランス製のコンパクトカーの魅力は、個性的なアピアランスと快適性にある。クリオなら、例え近所であっても、思わず運転したくなってしまう。

 
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