JCCAニューイヤーミーティング・ファイナル　新春の定番クラシックカーイベント、42年の歴史に幕

公開 : 2019.02.05 11:10

1977年より開催されてきた日本におけるクラシックカーイベントの草分けである、JCCAニューイヤーミーティングがその長い歴史に幕を下ろしました。その最後を惜しむように訪れた多くの来場者や参加者で、会場は例年以上に賑わっていました。

イベント

この画像の記事へ

2019年1月27日、東京・お台場の青海臨時駐車場でJCCAニューイヤーミーティング・ファイナルが開催された。

「ファイナル」のタイトル通り、同イベントは1977年以来42年間続いてきた日本におけるクラシックカー・イベントのパイオニアだが、今回で最後の開催となる。

会場には約160台強のエントラントが車両を展示。稀少車やレア車も登場した。こちらはミニマルヤマの丸山和夫代表が持ち込んだ1950年クーパーMG T14。その名の通りMG製エンジンを搭載した2座のレーシングスポーツカーで、1500ccのモデルは2台のみが生産されたという。

コンクール・デレガンスは会場内の展示車両およびクラブブースにあるすべての車両が対象で開催された。バラエティに富んだチョイスが面白い。

開会の挨拶を行うJCCA代表の岡政由氏。日本においてのクラシックカー文化が大きく育ったことにより、本イベントは初志を果たしたと述べた。

今年も（右から）伊東和彦氏、上野和秀氏、阪和明氏、藤原彦雄氏の4人のモータージャーナリストがコンクール・デレガンスの審査員を務めた。

今回、会場でもっとも目を惹いたのがこの2台。1966年三菱2W400と、1978年メルセデス・ベンツ・ウニモグ406の2台の特殊作業車。

展示車両の1974年シトロエンDS23パラス。補助灯とサイクルキャリアがオーナーのライフスタイルを感じさせる。

1970年アルファ・ロメオ 1750スパイダーヴェローチェは、アルファのスペシャルショップ、ミラノオートサービスがフルレストアを手掛け、完成したばかりの車両。佇まいの良さが印象的だ。

ジャガーはEタイプ、Mark-2、420など7台がジャガーカークラブよりエントリー。

こちらははじめて見た、1974年フォード・エスコートMk-1エステート。セダン譲りのコークボトルラインのうねりに蹴り上げられた、クオーターウィンドウの形状が面白い。

一列をすべてロータスが占めるほどに参加台数が多かった今回。エスプリはGroup Lotus Japan Racingより6台が参加した。

こちらもGLJRより参加したロータス・ヨーロッパたち。14台が参加した。

メルセデス・ベンツはW111、W113、W114などいわゆる“縦目”の世代を中心に集まった。

同じJCCA主催のサーキットイベントではよく見かけるナロー・ポルシェだが、今回は1968年の912と1970年の911Tの2台のみだった。

アメリカ車も少数派だが、アメリカでも希少な1964年シボレー・コルベア・モンツァは注目を集めていた。

国産クラシック・スポーツカーの雄、ホンダ・エス・シリーズは場内で多く見られた。それらに混じって空冷エンジン搭載のホンダ1300の姿も。

SR311ダットサン・フェアレディの列に並ぶはCSP311初代シルビア。基本コンポーネントはSP310フェアレディと共有する。

B110サニーはセダン、クーペ、トラックとボディのタイプを問わず根強い人気を誇るモデルだ。

スカイラインは2代目のS50系からC10系（ハコスカ）、C110系（ケンメリ、）、C210型（ジャパン）、R30系（鉄仮面）などの歴代モデルが見られた。

510ブルーバード・クーペの横には811ハードトップが！　ブラウンのボディカラーに赤内装がシブい！

ホワイトリボン・タイヤ、フルホイールキャップ、ドアバイザー、コーナーポール、三角ミラーにレースのシートカバーと昭和な装備を完備しているのは、1972年 230型ニッサン・セドリック2000GL。

トヨペット・コロナの商用モデル2態。かつてはセダン以外にもこのようにピックアップトラックやバンボディが用意されたものだが、それも今は昔。

TE71カローラにTA22セリカと2T-Gエンジンを積むトヨタのツインカムでGTな一角。カローラセダンGTのノーマルッぷりがシブい！

三菱の360な軽自動車が並ぶ。ミニカ・スキッパーの姿を見るにつけ、現在のエクリプス・クロスはスキッパーを名乗るべきだったのでは？と考えさせられる。

こちらはスバルのサブロクたち。スバル360、R-2、2代目サンバー。50年も前の軽自動車が今もなお大事にされていることに尊さを感じる。果たして今の軽たちは50年後にも現存しているのだろうか。

1969年 L37型ダイハツ・フェロー。ダイハツ初の軽乗用車として1966年に登場。エッジ部分が面取りされたデザインが実にクリーンだ。また、4輪独立懸架サスペンションを採用するなどメカニズムの面でも先進的だった。

1969年 MP5型ダイハツ・ミゼット。MP型はバーハンドルではなく一般的な丸いステアリングホイールを備える。ちなみに車両の横でダイハツ各社の化粧ナンバープレートが売られていたが、筆者の愛車であるコンテのものは見つけられなかった。残念。

前期・後期と揃った初代いすゞ・ジェミニ。日野やいすゞなど、現在では乗用車から撤退したメーカーの旧いクルマを維持し続けるのは並大抵の努力ではないと察するが、どのクルマも非常にキレイにされていることが印象的だった。

クラブスタンドには52団体のカークラブが出展。こちらはオースチン・ヒーリー・クラブ・オブ・ジャパンのブース。色もカタチもかわいらしい展示が目を惹いていた。

本イベントでクラブスタンドが設定されて以来、皆勤賞であるというホンダツインカムクラブ。S600とS800M、そしてレース仕様にモデファイされた車両を展示した。

日本からのメーカー撤退以来、路上で見かけることも稀になってきたオペル車を守り続ける、日本オペル保存協会。マンタとレコルトDクーペの2枚看板にシビレる！

チェリー・クラブ・ジャパンのブースには2ドアセダンとクーペ、2台の初代チェリーが並ぶ！

マツダ・プレミアム・コレクションのブースで目を惹いたBD型ファミリア。3ドアのイメージが強いハッチバックだが、この個体は5ドアだった。

トライアンフ1500TCとMk-2コルチナという、妙に心がざわつく並びに思わずシャッターを押してしまったのは、群馬で精力的に活動するジャック・ヒストリック・カー・クラブのブース。

軽自動車由来のエンジンを搭載した日本独自のジュニア・フォーミュラFL500。手前からファルコン80A、アローS2R、ベルコ96A。

会場の外周部にはショップブースとなっており、各協賛企業やプロショップ、そして個人など、80近いブースが出展、非常に賑わっていた。

貴重な旧車のパーツからミニカーやグッズ、謎のガラクタそして車体まで様々な商品が売られており、これらを見て回るだけでも一日が過ぎてしまいそうだ。

フィアット＆アバルトなど新旧のイタリア車を得意とするスペシャルショップのトゥルッコは、パーツ類の他バケットシートやレーシングシューズなどのギアを販売していた。

ホンダ・エスのレストアラーとして有名なガレージイワサ。ブースにはホンダ車や英国車のレアなパーツ、そしてミニカーなどが並べられていた。

旧車関連の雑誌を刊行している芸文社ブースでは2/23?24に開催されるイベント『ノスタルジック2デイズ』の前売り券も販売。特典として旧車ポスターが付くこともあり、人気を博していた。

来場者のお腹を満たすフードコートでもクラシックカー・イベントらしく、VWタイプｰ2やグラマンのキッチンカーが活躍していた。

パーキングスペースで一際目を惹いていたランドクルーザー60ベースの消防車。官公庁オークションなどで出品されているのはたまに見かけるが、実際に購入してしまうヒトもいるとは･･･。

メインステージで行われたコンクール・デレガンスの表彰式。5台のクルマ（とヒト、クラブ）が選ばれた。

コンクール・デレガンス入賞の1966年三菱 2W400。1960年代に三菱重工東京自動車製作所（現在の三菱自動車）が開発した作業用特殊車両。その稀少さと動態にあることが評価された。

コンクール・デレガンス入賞の1967年 KE10型トヨタ・カローラ4ドア1100DX。ベストセラー車だが現存数が少ないセダンモデルをオリジナル度も高く素晴らしいコンディションで維持していることが評価された。

1964年クーパーT72 F3とクラブ表彰されたHFR ヒストリックフォーミュラ・レジスター。貴重なヒストリック・フォーミュラカーを遺し、走らせ続けていることが評価された。

1964年ホンダS600とクラブ表彰のHONDA TWIN CAM CLUB。同クラブはクラブスタンド皆勤参加と毎回の企画展示に敬意を表しての受賞となった。

グランプリとして表彰されたSR311型フェアレディ2000レーシング 1972年 SCCAチャンピオンカーとダットサンSP/SRオーナーズクラブ。故・鈴木会長と車両オーナーが1983年にラグナセカより持ち持ち帰り、日本国内のレースで活躍したというヒストリーが受賞の理由となった。

もっと深堀り

おすすめ記事

最新海外ニュース

2024.04.19　

嘘のように速いホットハッチ：MG 4 EV Xパワー　「まさにコレ！」な正当性：クプラ・ボーン　お手頃EV 12台比較（6）

2024.04.19　

シリンダー内の「旋回流」が鍵？　アンモニアは化石燃料の代わりになるか　上智大学の研究チームが発表

2024.04.19　

【全幅2mの新型レクサスSUV】　レクサスGX550　100台抽選「GX550オーバートレイル+」も国内先駆け販売

2024.04.19　

ビル3フロアのショールーム　BYD AUTO 目黒がオープン、BYDジャパン社長が意気込み語る

2024.04.19　

【ついに発表トヨタ・ランドクルーザー250シリーズ】　限定車ファーストエディションも販売へ

2024.04.19　

VW、実用的な高級車「ID.7ツアラー」　荷物 “積み放題” の電動ワゴン　約1000万円から受注開始、欧州

2024.04.18　

韓国勢が大健闘　合理的な「兄弟」モデル：ヒョンデ・コナ・エレクトリック　キア・ニロ EV　お手頃EV 12台比較（5）

2024.04.18　

日産 “武士の甲冑” デザインの新SUV公開　「キャシュカイ」改良新型、欧州で今夏発売へ

2024.04.18　

【殺人チャイルドシート】　違法チャイルドシート買った人に返金はある？　アマゾンと楽天の対応は？

2024.04.17　

気取らないゴルフ的：フォルクスワーゲンID.3　反発意見も多い：テスラ・モデル3　カッコだけじゃない：ルノー・メガーヌ E-テック　お手頃EV 12台比較(3)

公式SNS

おすすめ

イベントの人気記事

イベントの人気画像