歴代最高の完成度 TVRタスカン【UK中古車ガイド】(1) 運転の楽しさはポルシェ911以上 レース用に近いスピードシックス・エンジン
公開 : 2026.11.07 17:45
歴代TVRで最高の完成度と評された、アグレッシブかつエレガントな姿のタスカン。直列6気筒、通称スピードシックス・エンジンで、運転の楽しさはポルシェ911以上とされました。UK編集部が魅力を再確認します。
TVRとして過去最高の完成度
当時のAUTOCARが、「TVRとして過去最高の完成度」と絶賛したタスカン。それまでのモデルと異なり、スイッチ1つまで既存部品が流用された痕跡はなし。独創的なデザインで、真鍮やアルミなど素材にもこだわられ、美しく精巧に仕上げられていた。
シートのサポート性は素晴らしく、ペダルの位置は調整可能で、現代的なデジタル表示のダッシュボードがドライバーの気持ちを高揚。高度な電子制御技術は備わらなかったが、アクセルペダルはストロークが長く、必要なだけのパワーを召喚できた。

サーブラウよりホイールベースは約200mm短く、ステアリングはダイレクト。公道では少々尖すぎたものの、サーキットでの身のこなしはゴーカートのよう。ルーフパネルとリアウインドウは脱着式で、爽快なオープンエア・ドライブにも興じれた。
サスペンションは、長距離移動にも対応したソフト仕立て。エアコンはオプションで、エアバッグは備わらないが、荷室は広く、日常的に使えるスポーツカーでもあった。
レース用ユニットへ近い直列6気筒
エンジンは3.6Lか4.0Lのスピードシックスと呼ばれる直列6気筒で、ボンネット高を抑えるため30度傾けて搭載。ドライサンプでレース用ユニットと近く、温まるまでは丁寧な扱いが不可欠だった。ブロックの横に触媒を配置し、排気の熱を利用して早く温まるよう配慮されているが。
生産初期のユニットはカムフォロワーの摩耗が早すぎ、保証対応にTVRは迫られ、経営を圧迫した。しかし後に改良を受け、以降の信頼性は悪くない。

経営を率いた技術者、ピーター・ウィーラー氏の指揮のもと、アグレッシブかつエレガントなスタイリングを手掛けたのはダミアン・マクタガート氏。見る角度によって色味が変わる玉虫色の塗装なら特に、際立つ存在感でも魅了する。
当時の公道最速仕様のポルシェ911と比較したAUTOCARの試乗では、運転の楽しさでLSDを得たタスカン Sが勝利している。直線加速では、僅かに届かなくても。
オーナーの意見を聞いてみる
「自分が20歳だった頃にも、タスカンに乗っていました。デートに使い、とても気に入っていましたが、結婚して住宅資金のために売却したんです」と振り返るのは、今回のブルー・シルバーの1台に乗る、イアン・リチャードソン氏だ。
「以前、三菱で整備士をしていた時には、パープルのタスカンと出会いました。そのオーナーは、4輪のバイクのようだと話していました。確かに、ダイレクトでアナログ。フォルムも素晴らしいですよね」。このタスカンは、3年前に入手したという。

「12万kmを過ぎた辺りでエンジンを降ろし、4.3Lへ排気量を増やして組み直してもらっています。だいぶパワーアップしました。その後にダンパーも交換し、タイヤはコンチネンタル・スポーツコンタクト7。今では、しっかりパワーが路面へ伝わります」









































































































































