フェラーリV8エンジンを搭載! 1989年式『ランチア・テーマ8.32』を29年間所有するオーナー 維持するのが大変なクルマの代表格との付き合い方
公開 : 2026.11.07 11:45
9月27日に開催された『フリーモーターミーティング』に1989年式のランチア・テーマ8.32で参加したオーナーを、高桑秀典が取材します。維持するのが大変なクルマの代表格を所有して29年間。その付き合い方を訊きました。
タクシーの革を被った狼
自動車趣味人が複数集まった時、『維持するのが大変なクルマ』について熱く議論することがある。その際に必ずといっていいほど主役となるのが、1986年に登場した『ランチア・テーマ8.32』だ。
完調を維持するのが難しい要因のひとつは当然、フェラーリ308GTB/GTSクワトロバルボーレ用の3L V型8気筒DOHC32バルブがベースとなるパワーユニットをフロントに搭載していることだ。しかし、その他の部分もいいコンディションを保つのが大変で、日頃街中で遭遇する機会は滅多にないといっていい。

そのため、イタリア車がたくさん集まるイベントにおいても見かけることが少ないが、去る9月27日に栃木県で開催された『第124回フリーモーターミーティング』(以下FMM)に、1989年式テーマ8.32(フェイズ2)が参加。オーナーさんを取材することができた。
友人の父親が所有していたテーマ8.32を1999年に譲り受けた中野さんは現在58歳で、維持するのが大変なランチアのほか、ボルボXC60、3代目フィアット・パンダの初期型、キャンピングカーも愛用している。
「テーマ8.32を買った理由は、スタイルが全く普通なのにエンジンがフェラーリということで、仲間から『タクシーの革を被った狼』と揶揄されていました。今は昔以上に美しいと思えるようになり、別れられないエロい悪女です。買った時の愛車はボルボ940エステートで、妻と結婚した頃に、増車という形で入手しました」
15年前からエアコンが効かず夏は「修行」
中野さんにこれまでの車歴を伺ったところ、FC3S型マツダ・サバンナRX-7からボルボ940エステートに乗りかえ、結婚して奥様にボルボを譲り、アルファ・ロメオ145を増車。子どもを授かったのでボルボを日産セレナに変更してセカンドカーの145をルノー・カングーに入れ替え、こちらの路線がキャンピングカーへと発展した。
子どもが大きくなってセレナはXC60になり、趣味車を兼ねたファーストカーは2台のボルボを経てテーマ8.32を迎え入れ、やがて現在のラインナップに落ち着いた。

「テーマ8.32に乗っていた友人の父親は、シトロエンBX GTI、ルノー5、マセラティ・ビトゥルボ、メルセデス・ベンツ500SLなどを所有していた好事家で、テーマ8.32を10年ぐらい愛用していました。手放すということで私に声がかり、当時としても破格のお友達価格で譲ってもらいました。当時友人と同じ職場にいたのも有利でした」
28年前に譲り受けたが、やはり不具合がいろいろあって、オイルホース切れ、サーモスタットが壊れたことによるオーバーヒート、フューエルポンプ故障、オルタネーターの軸折れによる発電不良などを経験したそうだ。
「やつれてきたオルタネーターをリビルト品に交換したら、戻ってきたその日に軸折れしレッカー移動ということもありました。おおよそ15年前からエアコンが効かず、これは諦めて夏でも修行と称して乗っています。
今は助手席側の窓が開かず、リアウイングが出ず、電動シートも動きませんが、自分しか運転しないので問題はありません。メンテナンスしながら、添い遂げるつもりです」
パーツが手に入らないことに困っており、リアウイング部のゴム製モールに大金を払ったこともあるそう。手に入れた当時は、こんなに長く付き合うことになるとは予想していなかった……と話してくれた。

















































