ボルボS60 T8 AWD ポールスター・エンジニアード

公開 : 2020.01.04 11:50

ボルボが高性能セダン市場へ参入すべく用意したのは、PHEVモデルでした。そのパフォーマンスは高く、ハンドリングもボルボとしてはスポーティ。しかし、先行するAMGやMパフォーマンスに挑めるほどではありませんでした。

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S60は、SUVを強化してきたボルボのラインナップにおいても手堅いモデルであり続けてきた。

標準ホイールは19インチだが、オプションで見栄えのいい鍛造20インチも設定。ゴールドキャリパーのブレンボは、ポールスター専用アイテムのひとつ。フロントのディスクサイズはより大径の371mmとなる。

フロントのダンパーは、ボンネットを開けてゴールドのノブを回して手動調整する。柔らかくするには反時計回りに。リアは、ジャッキアップが必要だ。

ポールスターは、鏡合わせの矢尻を象ったエンブレムを新たに与えられた。GTクーペのポールスター1に装着されたのと同じデザインだ。ほどよく控えめなエンブレムはボディ前後に装着されるが、グロスブラックのグリルに映える。

充電ポートは、左フロントフェンダーに備わり、グリルやボンネットに見苦しい切り欠きが入ることを防いでいる。3ピンの充電ケーブルを標準装備し、タイプ2こと7ピンのケーブルは320ポンド（約4.5万円）のオプションだ。

標準装備のハーフレザーシートは、もも裏のサポートが優れていることもあり快適だ。助手席は、標準仕様では電動調整が部分的なのは、5万6105ポンド（約785万円）のクルマとしては物足りない。

後席のスペースは、これより広いライバル車もある。とはいえ、身長180cmまでなら十分だ。シートバックのフォールディング用リリーススイッチは、パーセルシェルフの近くに隠されている。

T8仕様のトランク容量は、それ以外のS60より52L減少するが、それでも十分な広さが確保されている。床下ストレージがつぶれるので、ケーブルはトランク内に置かれるが、バッグが用意されているのでスッキリ収納できる。

かつてのV60ポールスターよりも控えめで、高級感を優先した内装には、カーボンファイバーやアルカンターラ、目立つブルーのステッチなども見られない。メタルメッシュ仕様のトリムは、ありふれているかもしれないが悪くない。ただ、これは下位のRデザイン仕様と同じもので、変更もできない。専用トリムが用意されていてもいいと思うのだが。

小ぶりなシフトセレクターレバーは、軽く動かすだけで操作できるが、今どのポジションに入っているかすぐに言い当てられるものではない。マニュアルモードや、スポーティな変速をするSモードなどは用意されていない。

スポーツステアリングホイール、とはいってもS60の他グレードと同じもので、スポーク上のスイッチはうまく組み込まれている。オプションのアダプティブクルーズコントロールの操作部は、左側に設置される。

センサスコネクトと銘打った9インチの縦型タッチ式ディスプレイは、以前より直感的になった。

S60ポールスター・エンジニアードの模範的なダンピングやしなやかさ、突き上げや振動の遮断ぶりは、オーリンズの調整式ダンパーによるものだ。

ステアリングは、ボルボとしてはほかのモデルよりのめり込めるものが感じられ、正確さも備えている。

結論：ボルボ自身のパフォーマンスの新たな地平を切り開いたが、心奪われるものではなかった。

カテゴリー１位：BMW 330e Mスポーツ・プラスエディション

カテゴリー２位：テスラ・モデル3パフォーマンスAWD

カテゴリー３位：ボルボS60 T8 AWDポールスター・エンジニアード

カテゴリー４位：メルセデス・ベンツC300DE EQパワーAMGライン

カテゴリー５位：アウディS4 TDIクワトロ

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