【休日クラシック・ポルシェ・アーカイブ #41】1989年ポルシェ911カレラ・スピードスター「930系カレラのプラットフォーム、最後のモデル」
公開 : 2026.10.11 09:11
世界的な人気モデルとして支持され、サーキットでも数えきれぬ栄光の記録を刻んできたポルシェ。日曜日の午前9時11分に公開する、そんなポルシェの足跡を膨大なアーカイブと共に振り返る連載です。#41は『1989年ポルシェ911カレラ・スピードスター』です。
伝説のモデル名が復活
ポルシェ911カレラ3.2に、伝説だった『スピードスター』が復活したのは1989年モデルだった。
ポルシェ史上、最も象徴的なモデルのひとつに『356スピードスター』が挙げられる。この精悍なデザインのスピードスターは、余分な装備を省き、ドライバーの走る楽しさを重視したモデルとして1954年に誕生した。

1954年から1957年にかけて生産された356スピードスターは、装備を最小限にとどめる一方、傾斜を強めて高さを抑えたフロントウインドウを採用しすることにより、精悍なスタイルを実現。デビューするや、世界中のファンから熱烈に支持され、ポルシェの名を広く知らしめることに貢献した。
ポルシェ356スピードスターは、最終モデルとなる1959年型のコンバーチブルDで幕を下ろす。その後『スピードスター』の名はポルシェのラインナップから姿を消していたが、その名が再び復活するのは、1989年モデルまで30年待つことになる。
復活に向けたコンセプトモデルの存在
911スピードスターの構想は、1983年に始まっていた。ポルシェのエンジニアであるヘルムート・ボットが、911をベースにシングルシーターのスピードスター・スタディモデルを製作する。このスピードスターは、あくまでも試験的な存在だった。
その3年後、ポルシェ社長のピーター・シュッツが、別のスピードスター・プロトタイプの開発を承認する。

1986年に、2代目となる911スピードスターのプロトタイプが製作され、1987年のフランクフルト・モーターショーでコンセプトモデルとして公開される。スピードスターという概念を最も過激に解釈したもので、一体成型の堅牢なファイバーグラス製トノカバーが特徴だった。
ドライバー側は背の低いラップしたエアロスクリーンで囲まれ、助手席側は完全に覆われていた。このトノカバーは後部をヒンジで固定する構造となっており、乗降する時は手動で持ち上げる必要があった。
ポルシェは、当時開発中だった次世代911となる『タイプ964』のシャシーを用いてスピードスターを限定生産することを予定していた。しかし、964開発の遅れにより導入が先送りされ、911スピードスターは生産終了が近づいていた930系カレラのシャシーをベースに製造されることになったのである。
結果として911スピードスターは、1980年代を代表する存在だった911カレラのプラットフォームで生産された最後のモデルとなった。生産は1989年1月から開始された。
画像 クラシック・ポルシェ・アーカイブ #41 1989年ポルシェ911カレラ・スピードスター編 最新『ポルシェ911 GT3 S/C』と合わせて紹介 全22枚
























