【A4改めA5国内初試乗】まるで分厚いコートを脱いだような軽やかさ!A5の乗り味にアウディ新世代を見た

公開 : 2025.03.26 11:05

南フランスで感じたある種の『遅れ』は一掃

今回試乗したのは、エントリーグレードの『A5 TFSI セダン』。価格は唯一600万円を切る599万円に設定されているが、前述のとおり、南フランスでは発進時のもたつきが気になったガソリンエンジンを積んでいる。果たして、その印象はどうか。

やや不安に思いながらスロットルペダルを踏み込むと、とりたてて力強いとはいいがたいものの、南フランスで感じたある種の『遅れ』は一掃されており、違和感を覚えることなく発進できた。恐らく日本へ上陸するまでの間に、何らかの改良が施されたのだろう。

従来のA4に対して新型A5は、ホイールベースが70mm延長された。
従来のA4に対して新型A5は、ホイールベースが70mm延長された。    山田真人

これで、ガソリンエンジンを積む新型A5唯一の弱点は解消されたも同然。あとは、落ち着いた中にも軽く弾むような感触が盛り込まれたシャシーが生み出す、軽快なハンドリングを存分に堪能するのみ。その新鮮な乗り味は、まるで分厚いコートを脱いだときのような軽やかさが感じられるものだ。

従来のA4に対してホイールベースが70mmも延長されたプロポーションは、アウディらしいまとまりのよさと伸びやかさが感じられるもの。2枚の大型ディスプレイを一体化してダッシュボード上に設けたMMIパノラマディスプレイは、豊富な先進装備を盛り込んだ新型A5を象徴するものといっていい。

このA5に続いては、新型Q5、新型A6アバントと、エンジン搭載モデルが立て続けにデビューする予定のアウディ。BEVだけに留まらない『フォーリングス』の世界があることを、今後も私たちに示して欲しいものだ。

アウディA5 TFSI 110kWのスペック

全長×全幅×全高:4835×1860×1455mm
ホイールベース:2895mm
トレッド:F1630 R1625
車両重量:1750kg
エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
ボア×ストローク:82.5×92.8mm
排気量:1984cc
最高出力:110kW(150ps)/3900-6000rpm
最大トルク:280Nm(28.6kg-m)/1400-3600rpm
燃料タンク容量:60L
ギアボックス:7速AT(Sトロニック)
サスペンション:F&R5リンク式マルチリンク
タイヤ:F&R205/60R17
燃料消費率(WLTCモード):13.4km/L
価格:624万円

取材車は、110kW(150ps)のスペックとなる2L直4ターボのTFSI。
取材車は、110kW(150ps)のスペックとなる2L直4ターボのTFSI。    山田真人

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。
  • 撮影

    山田真人

    Makoto Yamada

    1973年生まれ。アウトドア雑誌編集部からフリーランスカメラマンに転身。小学5年生の時に鉄道写真を撮りに初めての一人旅に出たのがきっかけで、今だにさすらいの旅をするように。無人島から海外リゾート、子どもからメガヨットと幅広い撮影ジャンルを持つ。好きな被写体は動くものと夕陽。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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