フォルクスワーゲン Tロック x ボルボXC40 x キア・スポーテージ(2) 連続カーブではまるでゴルフ 3様なベストセラーとしての魅力

公開 : 2026.10.15 18:10

これまで世界中へ200万台以上が届けられた、フォルクスワーゲンTロックが2代目へ。英国での売れ筋ライバルとした今回登場するのは、ボルボXC40とキア・スポーテージです。UK編集部が3台の実力を探ります。

シフトパドルとスポーツ・モードが欲しくなる

ボルボXC40の4気筒ターボエンジンは、今回の3台では最も排気量が大きいが、動力性能としては穏やかな側。センターコンソールのシフトセレクターでギアを選べるが、一体感ではシフトパドルに及ばない。

しかし、ステアリングホイールは円形で握りやすく、フロントは軽快に反応してくれる。重み付けは変更できるが、最も軽い設定が自然かもしれない。

手前からフォルクスワーゲン Tロックと、ボルボXC40、キア・スポーテージ
手前からフォルクスワーゲン Tロックと、ボルボXC40、キア・スポーテージ
    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

アクセルペダルの反応はマイルドで、高域では若干賑やかだが、中域から不満ないパワーを呼び出せる。低域からターボの高音が耳に届き、運転好きを思わず笑顔にしてくれる。より積極的に運転できる、シフトパドルとスポーツ・モードが欲しくなる。

高度な技術力と北欧らしいデザインが融合し、運転時の充足感は高い。普段使いの限り、何か引っかかるようなクセはなく、ストレスフリーで移動できるはず。価格帯を問わず、こんな印象を得られるモデルは多くない。

連続するカーブでの身のこなしは、まるでゴルフ

2代目フォルクスワーゲン Tロックは、XC40より150kgほど軽く、明らかに機敏。着座位置が低めで、表情豊かなボンネットを眺めながら、ハッチバックのように運転できる。フォルクスワーゲン・ゴルフへ通じる、魅力がある。

ただし、7速デュアルクラッチATのセレクターは、ステアリングコラムの右側。少し慣れは必要かもしれない。センターコンソールには、ドライブモードやオーディオのボリュームなど、多様な機能が割り当てられた、モニター内蔵のダイヤルが鎮座する。

フォルクスワーゲン Tロック 1.5eTSI 150PS ライフ(英国仕様)
フォルクスワーゲン Tロック 1.5eTSI 150PS ライフ(英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

エアコンの温度調整は、タッチセンサー式のスライダーだが、物理スイッチへの回帰は部分的に図られている。ドアハンドルが、運転席付近の好ましいアクセントだ。

シフトパドルを弾けば任意に変速可能で、今回の3台では、シャシーの反応は最も素早い。フロントタイヤは路面を確かに捉え、リアタイヤは自然に追従。気張らずに颯爽と走れ、必要なら鋭い加速も許し、まるでゴルフのように連続するカーブを駆け抜ける。

やや新鮮味に欠ける印象を補う動的特性の振り幅

7速デュアルクラッチATは進化を重ね、変速は瞬間。17インチ・ホイールが叶える乗り心地も、3台の中ではベストだろう。コンフィギュレータには、快適性を悪化させるであろう、大径ホイールも用意されている。選ばずに、耐えられるだろうか。

ドライブモードは、エコとコンフォート、スポーツのほか、任意登録できるインディビジュアルも。動的特性の振り幅が広く、やや新鮮味に欠ける全体的な印象を補う。

フォルクスワーゲン Tロック 1.5eTSI 150PS ライフ(英国仕様)
フォルクスワーゲン Tロック 1.5eTSI 150PS ライフ(英国仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

現行のキア・スポーテージは2021年に登場。ヘッドライトは大きく、抑揚のある特徴的なスタイリングは、ファミリー・クロスオーバーとは思えないほど。キャビンでは、ツートーンのステアリングホイールや、彫刻的なダッシュボードの主張が強い。

それでも、操作系のレイアウトは従来的。エアコンには、独立した操作パネルが用意され、直感的に扱える。そのかわり、タッチモニターの大きさは控えめで、見た目は混雑気味。硬いままのプラスティックは低い領域のみで、内装の質感は概ね高い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブン・ドビー

    Stephen Dobie

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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